人事・労務のエキスパート、石川県金沢市の末正社会保険労務士事務所。人事・労務管理相談、社会保険労働保険手続き、紛争解決、組織活性、給与計算、人材適正検査まで、フルサポートします。

seminar

seminar

contact

ブログ

「ことばの大切さ」

2016年12月27日

先日、お客様から全社員が集まる会議で講演会をさせていただく機会をいただきました。何か役に立つ話をと思い、自分が会社員の頃にはわからなかったけれども、独立して初めてわかったことを話してみました。

20年前、私が生命保険会社の営業所長として勤務していたころ、上司によく言われたことがあります。それは、「契約高○○円やります!」「ぼくは昇進して○○長になりたいです!」と皆の前で言いなさいということでした。当時の私は出来もしないことをなんで皆の前で言う必要があるのか全く理解出来ませんでしたし、ただのお調子者のようにも感じていたものです。

それが、12年前に社会保険労務士事務所を開業した頃の私は周りの人たちに「自分はこんなことをやろうと思っています!」とか「ぼくはこんなことができるんです!」みたいなことを言い続けていたように思います。すると不思議なことにその言ったことがどんどん現実化していくんですね。どんどんチャンスが降ってきました。20年前の上司は、それがわかっていたんですね。

月刊誌「致知」の11月号の特集記事の中に載っていた話です。リオ五輪が終了しましたが、メダルを取った選手の子供の頃を調べてみると、おもしろいことに「私はオリンピックに行く」「金メダルを取る」と口にしている選手ばかりだったそうです。そういうふうに言った人全員がメダルを取ったわけではないけれども、少なくとも言わなかった人からメダリストは生まれなかったことになります。そしてこれは何もスポーツに限ったことでもないということも書いてありました。日産のカルロス・ゴーンさんが社長に就任した時に、日本人の多くが日産は潰れるかもしれないと思っており、記者会見の場で記者が「ゴーンさん、あなたの言うように二百万台売れなかったらどうしますか」という質問が出たそうです。その質問に対し、ゴーンさんは「そんなことは売れなくなったことがはっきりした時に考えればいい。始める前からできなかったらどうしようと考えている人間が成功できるわけがない」と答えたそうです。「できなかったらどうしよう」「大風呂敷を広げて恥ずかしい」と思う人たちが多いけれども、そんなことばかり考えていたら、本当に何もできません。と括られていました。

よく言われることですが、言葉は「言霊」です。人は言葉を発することで、その言葉を発した人自身がその言葉のほうへと引っ張られるものです。だから、いつも気持ちを前向きにして、後ろ向きな発言をしないことが必要です。ただ、人間は弱いので、すぐに弱気でマイナスな言葉が口から出てしまいます。そういうときは、すぐに気づいて、反省です。その繰り返しが、人生をより良いほうへと向かわせてくれるのではないかと考えます。

最後にもうひとつ先ほどの「致知」の中におもしろい話がありましたので、ご紹介します。札幌に本店のある「すし善」というお寿司屋の社長である嶋宮勤さんの話です。このすし善というお店は札幌にありながら銀座の寿司屋よりも価格が高いと言われるくらいのかなりな高級店です。この嶋宮さんがアメリカ人の記者から「あなたの握る寿司と回転寿司の違いは何ですか」って聞かれたそうです。その質問に嶋宮さんは、「俺の寿司はあなたのために握る寿司だよ。回転寿司は誰のためでもなく、機械が勝手につくっている。その違いだ」と仰ったそうです。感動しました。相手を想い、気持ちを込めた良い仕事を一生懸命にする。これは、どの仕事にも共通した絶対に必要なことですね。

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム

「通知書と契約書の違い」

2016年12月27日

今年、5月13日に東京地裁が大変、興味深い判決が出しています。定年後再雇用による嘱託社員(有期契約労働者)と正社員(無期契約労働者)との間の賃金が、同一業務を行っているにもかかわらず相違があるのは不合理であり労働契約法20条に違反するとして、嘱託社員の賃金の定めが無効とされ、正社員の賃金規程が嘱託社員に適用されることになり、その差額賃金相当額の支払いを命じられました。

これまで、60歳で定年を迎えた社員の賃金は、老齢年金と高年齢者雇用継続給付金の受給の関係から、定年前の賃金の6割程度に減額するといったことが広く行われてきました。賃金が減っても、実質的な手取額はそんなに変わらないという理屈で経営者も社員もお互いに納得していたわけです。

しかし、現在は老齢年金の支給開始年齢は引き上げられており、60歳からは年金を受給できなくなっています。そういったこともあっての争いだったんでしょうね。これからは、安易に定年後の賃金を減額することは止めたほうがよさそうです。減額する場合は、なんらかの対策を講じる必要があります。

 

先日、東京でセミナーを受講してきたんですが、その講師の弁護士さんが、「労働条件通知書」と「労働契約書」の違いについて話をされていました。なるほどと思ったのでご紹介したいと思います。

よくお客様から、通知書と契約書の違いとどちらにするべきなのかについて質問をうけます。労働基準法では、「労働者を採用するときは、賃金、労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならない。」とされており、契約書のかたちにすることまでは求められていません。なので、通知書で十分ですとお話しさせていただくわけですが、中には従業員に確認しましたという跡を残したいという理由で契約書を選ぶ事業主もたくさんいらっしゃいます。

そこで、法律的なお話です。一般的に労働条件の変更は、会社が一方的に行うことが出来る就業規則の変更によることが会社にとっては簡単です。なぜなら就業規則の変更には、労働者の同意は不要だからです。あまりの不利益変更でない限りこれで十分です。しかし、労働契約として書面を取り交わした場合、その内容について、会社側からの一方的な変更は出来なくなり、必ずその労働者の同意が必要になります。労働者の同意がない限り、労働時間や賃金などの変更ができないというのは、会社にとってはかなり不都合なのではないでしょうか。

なので、契約書形式を選ぶ場合は、「今回限り」とか「あなたにだけ特別に」といったケースで、労働者に不利益を生じさせる場合に限るべきといったことを話されていました。契約書形式をとらないほうがよさそうです。

 

内閣官房に「働き方改革実現推進室」が開所されました。安倍首相は、「モーレツ社員の考え方が否定される日本にしていきたい」と話されたそうです。これからますます長時間労働が悪とされる取り組みがなされるのでしょう。長時間労働は良いことだとは思いませんが、一方で労働関係法制の緩和も求めたいところですね。

 

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム

「ものの見方」

2016年12月27日

経営者のかたと話しているとよく言われることの中に、「うちの従業員は給与の手取額しか見ない。会社は総支給額の金額を支払っているんだからそっちの金額を見て欲しい。」ということがあります。要するに総支給額20万円の給与の場合、社会保険料等で30,398円が引かれ、所得税で3,700円引かれて手取額が165,902円になっていて、もらう側の従業員は16万円を受け取っていると考えているけれど、払う側の社長は20万円を支払っているつもりでおり、もっと言うと社会保険料の会社負担を含めると人件費は231,998円となっていることを従業員は考えないということです。そこには社長と従業員の間に、66,096円の差があることになります。当然、支払う側の社長は、手取額だけではなくて、実際は66,096円も多く支払っていることを意識して欲しいということになるわけですが、こういう考えはよくわかりますね。

一方で、社長は「社会保険料が高くて毎月の支払いが大変だ。」ということもよく聞きます。私自身、自分の事務所の社会保険料は毎月、高いなぁと思っていたところでした。社会保険料の支払いは、毎月20日頃になると日本年金機構から社会保険の「保険料納入告知書」が送られてきます。その、「保険料納入告知書」を見て溜息をつくことになるわけですが、よくよく考えるとそこに記載されている金額の半分は従業員の給与から引いてあるものであって会社が負担しているものではないんですよね。

こんなふうに、社長と従業員、そして払う側ともらう側といったそれぞれの立場で感じることは全く違うんだなと。人間は都合よく考えるものなんだなと自分自身で実感することになりました。

こんなふうに考えると、経営者がいう「従業員は手取額じゃなくて総支給額でものごとを考えるべき」みたい考え方を従業員がしないのはもっともなことかもしれませんね。だって、経営者も従業員も同じ人間なんですから。

 

先日、金沢の鈴木大拙館の木村館長のお話を聞かせていただく機会がありました。これまで、日本の企業では成果主義、人事評価ということを一生懸命やってきました。企業は「人材」を「人財」にどうしたら変えられるのかに注力し、そして「人罪」は悪であるとも考えてきました。

しかし、木村館長は、こんなふうに「ものの見方」についてお話しされていました。

 

西洋 … 物事を2つに分けて考える。(例)良い・悪い、味方・敵、役立つ人・役立たない人

東洋 … 2つに分けないで全体として見る。

2つに分かれているように見えても元はひとつ。(例)陰と陽

 

ひとつをとって、ひとつを捨てるということをせずに、全体として物事を見て、全てを活かすことが大切であるということです。「人財」になれなかった「人物」を排除すべきなのでしょうか。人材である前に人物であって、人物を育てる、人間を育てることのほうが大事だと。これからは、良い・悪いと分ける西洋の考え方ではなく、これからは東洋の考え方を人材育成に取り入れることになっていきそうですよ。

立場や考え方は違えども、元は一緒であると考えることで会社組織や人間関係がスムーズになるということと私は理解しました。

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム

夏季休業のお知らせ

2016年08月09日

いつもお世話になりありがとうございます。

誠に勝手ながら8月11日(木)~8月16日(火)まで夏季休業(お盆休み)とさせて頂きます。

8月17日(水)より通常営業となります。

ご迷惑をお掛けいたしますが宜しくお願いいたします。

IMG_2107


カテゴリー:お知らせ

「不当解雇 解決金の相場は?」

2016年08月09日

労働基準法の改正が遅れ遅れになっていましたが、今年中にはなんとか改正法案が成立できそうですね。企業としては、「中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率を50%以上」となることが目前となっており、長時間労働に対する考え方を変えていく必要があります。また、年次有給休暇を5日については会社が毎年、時季を指定して与えなければならなくなるなど、こちらのほうの対応も必要です。

以上の法改正と時期を合わせるように不当解雇の金銭解決について厚生労働省で検討が行われていることはご存じでしょうか。昨年の秋頃から有識者検討会で、解雇が不当と認められた場合の金銭解決する仕組みについて議論がなされてきました。

私も経験がありますが、企業に解雇された労働者が不服の場合に、労働審判制度に持ち込むことがあります。その労働審判で、労働審判官(裁判官)1人と労働関係に関する専門的な知識・経験を持つ労働審判員2人が、その解雇が有効か無効かの判決が出すことになりますが、多くの場合は、心情的に職場復帰は難しいため金銭解決による和解となっているようです。

 

日経新聞によると、厚生労働省の検討会は不当解雇の金銭解決の分析結果を発表したと伝えています。不当解雇の金銭解決についての具体的な水準や基準などの「相場観」ともいえる内容が示されたのは初めてですね。先ほどの労働審判で企業による解雇が無効と想定される場合、企業が支払った解決金は月収の0.84倍に勤続年数を掛け合わせた金額になっていて、10年勤続した社員であれば、月収の10倍強になっているそうです。また、企業による解雇が有効と想定される場合でも解決金が必要となり、こちらのほうの解決金は、勤続年数は関係なく、月収の2.3か月分程度になっているそうです。

私のほうにも解雇の相談は相変わらず多いです。ただ、お話を聞かせていただくと多くの場合は、争われると会社側が負けるように思われるケースがほとんどです。ですから、大概は年収の1年分を覚悟したうえで解雇しましょうねというお答えをすることになります。そうした話をしても、解雇したいという場合が多いわけで、そこからは、いかに解雇対象の労働者と話をしていくかが問題になります。

最近の傾向とすると、感情的になった対応をしたり、相手に対する配慮を欠くと負けです。会社が感情的になり、労働者を怒らせてしまうと間違いなく訴えてきますし、そういったケースでは会社がかなりな金額での解決を求められてしまいますので注意が必要です。

また、解雇の理由に挙げられるのが能力不足や職場の人間関係ということが一番多いわけですが、そういう理由の場合は、労働者自身が悩んでいることもよくあるわけです。経営者も社員も人間なので、経営者がこの人はいらないなぁと思っていると、その社員にも伝わるものなんです。あるケースの場合、私が解雇通告の場に同席して、社員さんとお話しをさせてもらったところ、実は人間関係がうまくいかず会社を辞めたかったがどういうふうにしたら良いのかわからなくてとても悩んでいたと涙ながらに打ち明けられたこともありました。

上記のような事例は、会社にとっても社員さんにとっても不幸なことですね。ややこしい話ですが、感情的にならず、相手の感情を理解することが大事なのかもしれません。

 

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム


  • access
  • cubic
  • blog

pagetop