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運をつかむ

2022年05月02日

MLBのエンゼルスで今年も活躍する大谷翔平選手は、岩手県の花巻東高校野球部出身です。大谷選手の他にもMLBで活躍する菊池雄星投手や今年の春の甲子園で大注目された佐々木麟太郎選手など多くの有名選手を輩出している野球部です。この野球部で監督を務めるのが佐々木洋氏です。どうしてこんなに佐々木監督のもとに良い選手が育つのか。周囲からは「菊池雄星を獲得できて運がいい」とか「棚ボタで選抜に出て準優勝した」とか言われることがあって「俺だって努力している」とムッとしていた頃もあったそうです。しかし、佐々木氏は「運というのは、運をつかむために自らをコントロールしている人のもとにしか来ないもの」だとわかるようになり、運の良さを素直に喜べるようになったそうです。佐々木氏は、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)の中で、自分の何をコントロールしているのか話されています。まず、第一に「言葉」、二つ目に「一緒にいる人」。そして三つ目に「表情、態度、姿勢、身だしなみ」を挙げています。大事なことは、友人を選ぶことや、自分からすすんで刺激を受けられる人に会いに行くこと。そして最後にはやはり、「感謝」と「謙虚さ」だといいます。とにかく敵をつくらず、味方をつくることが運を呼び込んでくる秘訣のようです。さらに、その味方になってくれた人たちに感謝の気持ちを伝えると、もっと応援してくれるようになるといいます。例えば、菊池雄星選手は、ゴミが落ちているのを見ると「神様が自分を試している」と話していたそうです。いつも誰かに自分の行為を見られていると考える感覚はとても大事ですよね。また、佐々木氏は、「成功している会社の社長さんの家を探っていったら一つだけ共通項があって、どの家もトイレの蓋が閉まっていた」と言っていて、ぼくもこの話を聞いてからは必ずトイレの蓋を閉めるようにしています。佐々木監督は、何をやってもツイている人と、何をやっても空回りする人の差はこの4つではないかと話されていました。

この4月に改正「道路交通法」が施行されています。自家用自動車を5台以上使用している場合に、その事業所では安全運転管理者を選任しなければならないことになっていますが、今回の改正はその安全運転管理者を選任する必要がある事業所が適用の対象となります。その安全運転管理者が従来から課されていた運転者に対する酒気帯びの有無を確認する義務がより明確化されました。ちなみに安全運転管理者は、私有車、社用車にかかわらず業務に「自家用車を5台以上使用している」場合に、選任しなければなりません。これまでの規定は、運転者の運転後において酒気帯びの有無を確認することや、その確認内容を記録することの方法についてどうするかといったことまで明文で規定されていませんでしたし、そもそも酒気帯びの有無についての確認方法も具体的に決まってはいませんでした。今回の改正は、こういった問題点の解決と安全運転管理者の未選任事業所を一掃することが目的であるため、安全運転管理者が運転前後に運転者に対し、飲酒、過労、病気その他の理由で正常な運転をすることができないおそれの有無を目視等で確認して記録することが必要になっており、さらに今年の10月からはアルコール検知器を用いて確認することも義務化される予定です。そのためもうすでにアルコール検知器が店頭で品薄になっているそうで、あるメーカーでは昨年11月から注文が増加し生産が追い付かないほどだそうです。

次に年金制度の見直しについてです。60歳から64歳の間に老齢厚生年金を受給している人が、会社に勤めることで厚生年金保険に加入している場合、これまでは給与(報酬月額相当額)と受給している年金額の合計が28万円を超えたときに、年金の全部又は一部の支給が停止されていますが、この基準が見直しされました。4月以降は、その28万円が65歳以降の基準である47万円に緩和され、47万円を上回らなければ支給を停止されることがなくなりました。これにより、令和4年4月分の年金支給額が変更された方には、変更後の年金支給額が記載された「支給額変更通知書」が5月末頃に送られるそうです。また、65歳以上の人の年金額は、会社を退職する際にそれまでの期間を含めて再計算されてきましたが、退職を待たずに毎年、9月に年金額が改定(在職定時改定制度)されることになります。具体的には、前年9月~当年8月までの被保険者期間を上乗せした年金額が10月から支給されます。このように、厚生年金に加入しながら働くことのメリットが大きくなります。国は多くの人に厚生年金に加入して欲しいんでしょうね。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆ニュース

「カスハラ」マニュアル公開 行為態様別に対応方法示す

厚労省は、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成しました。

マニュアルでは、事前の準備として、事業主の基本方針・基本姿勢の明確化と従業員への周知・啓発、従業員(被害者)のための相談体制整備、対応方法・手順の策定、社内対応ルールについての従業員等への教育・研修等に取り組むべきとしています。

また実際に起きた際の対応として、事実関係の正確な確認と事案への対応、従業員への配慮の措置、再発防止のための取組等を提示しています。

カスハラの行為態様として、時間拘束型、リピート型、暴言型、暴力型、威嚇・脅迫型、権威型、店舗外拘束型、SNS/インターネット上での誹謗中傷型、セクシュアルハラスメント型――の9つを挙げ、それぞれの対応方法を明記しています。

従業員承継 後継者候補へ早期教育を 多様な役割任せ

中小企業庁は、5年ぶりに事業承継ガイドラインを改訂し、近年増加している「従業員承継」についての解説を充実させました。

実際に従業員承継を実施した事業者へのヒアリングを基に、後継者の選定や育成プロセスなどのあり方について、事例を交えて紹介しています。

また、従業員承継に先立つ後継者教育について、早い段階から着手することが必要としています。

具体的に取り組むべき3つのポイントとして、①後継者候補に対し、経理、総務、営業や経営企画に至るまで幅広い業務を経験させる、②社内の重要プロジェクトの遂行に従事させる、③後継者塾や経営者会合などに参加させる――を挙げ、早期から選抜して育成を進めることで、後継者候補に事業の将来性や経営への理解を促し、役員や従業員などの関係者から信頼を得ることにもつながるとしました。

◆送検

無効な36協定で違法残業 実習生を代表に指名 岩国労基署

山口・岩国労基署は、ベトナム人技能実習生2人に違法な時間外・休日労働を行わせたとして、縫製業者と同社の労務管理責任者を、労働基準法第32条(労働時間)と第35条(休日)違反の疑いで山口地検岩国支部に書類送検しました。

時間外・休日労働は最長の実習生で月135時間に上り、そのうち15時間は2日間の休日労働によるものでした。

同社が届け出ていた36協定について、労働者の過半数代表者とされていた実習生が内容を全く理解しておらず、一方的に指名して締結させたとみられるため、無効と判断しました。

同労基署は、「実習生を代表にするのは問題ないが、民主的な方法で選出する必要がある」との見解を示し、「仮に協定が有効だったとしても、時間外労働の上限規制を超えて働かせているため違法である」としました。


カテゴリー:所長コラム

正しい儲け方

2022年04月01日

「昨年11月頃から『雇調金を返します。ごめんなさい』という企業からの連絡が増えた。調べてみると全て不正受給だった。」ある県の労働局の助成金担当者の話だそうです。新型コロナウィルス感染症拡大を受けて、雇用を守るための「雇用調整助成金(雇調金)」ですが、当初の予定されていた支給申請期間が大幅に延長され、主な財源となっている雇用保険料の積立による資金はほぼ底をついたといわれていますが、雇調金を不正受給していたと自ら労働局に申告し、自主返還する企業が相次いでいるそうです。大手旅行代理店の補助金の不正受給発覚や、国会議員事務所が助成金の主旨と異なる受給を行ったと社会問題になったことが要因とみられています。あまり知られていないことですが、不正に助成金を申請した場合、その助成金を受給していなくても、申請したことをもって不正受給となってしまうので注意が必要です。厚生労働省は「悪質な場合は刑事告発をすることもある」としていて、社会的制裁を受けることになり、会社は受給した金額以上に大きな代償を支払う羽目になります。

「日本資本主義の父」といわれ明治から昭和にかけての産業界をリードした渋沢栄一が、2024年から発行される新1万円札の肖像となることもあって、今、世の中は渋沢栄一ブームとなっています。その渋沢栄一が、みずほ銀行、東京商工会議所、東京証券取引所といった多種多様な会社や経済団体の設立や経営に関わり、そのうち企業は約500社にも及んでいることは有名な話ですね。その渋沢が説いたのが、「道徳経済一」です。「道徳経済一」というのは、企業の目的が利潤の追求にあるとしても、その根底には道徳が必要であり、国または人類全体の繁栄に対して責任を持たなければならないという意味だそうです。また、渋沢は事業が持続的に発展していくために、労務管理や給与体系、キャリアアップの道筋などをきちんと整え、社員が物質的・精神的に安心して働ける環境をつくることの必要性も説いていて、とても明治時代の話だとは思えません。

株式会社が誕生してから現在で約400年経過しました。その利益を生み、社会を豊かにしてきた会社が岐路に立っているといわれます。利益を過度に追い株主に報いようとする経営姿勢に若者らがNoを突きつけ、社会への貢献や存在意義を明確に示すよう求め始める動きがあるそうです。「会社は何のために社会にあるのか」この問いかけに今、世界の多くの会社が直面しています。その背景にあるのは、利益の株主還元重視の時代を経て、世界は約2100人の富裕層が下位46億人より多くの資産を保有しているという状態にあるそうです。上位1%の超富裕層が、全体の40%に近い富を抱えていて、逆に下位50%の人々はわずか2%しか資産を持っていない。お金を稼ぐことは悪いことではないのですが、ある調査によると、世界の若者の7割弱が「富と所得が平等に分配されていない」と認識していて、評価される機会が平等に与えられないことに不満が集中しているということです。

経済同友会の櫻田謙悟代表幹事が、この春の賃上げにあたり「労働がコストであるというビジネスモデルから早く脱却しないといけない」「労働はその価値に対して正当な対価を支払わなければならない」と語ったと報じられました。労働はコストであるというビジネスモデルから脱却し、価値を生む「大変重要な資産」であるという考え方に移行すべきという考え方です。労働はコストではなく、資産であると考えるからこそ人への投資が進み、生産性を上げることが可能になるということなのだと思いました。

「自社は何のために存在するのか」「在籍する社員は何のために働いているのか」といった企業や組織、個人の存在意義を意味する「パーパス」という概念を重視する経営スタイルに注目が集まっています。その「ヒト」が持つ「他者にとって価値のあることをしたいという信念」いわゆる「志」に基づいた経営を「パーパス経営」というそうです。「その事業がどんなに大きくとも、また小さくとも、それが事業であるかぎり何らかの成果をあげなければならず、(中略)ただ成果をあげさえすればいいんだというわけで、他の迷惑もかえりみず、しゃにむに進むということであれば、その事業は社会的に何らの存在意義も持たないことになる。」と松下幸之助がいかに正しい方法で成果をあげるかということの大切さを語った言葉です。

明治生まれである渋沢栄一の経営者、働く従業員、その家族、顧客など皆の幸せを考えた「日本型資本主義」のあり方が問われるとともに、渋沢栄一が生涯問い続けたといわれる「企業の社会的責任」を踏まえた経営姿勢が今、求められているのでしょうね。       

特定社会保険労務士 末正哲朗  

◆ニュース

安衛関係11省令を一斉改正 一人親方も保護対象に

安衛則・有機則・粉じん則・石綿則など安衛法関係の11省令が一斉に改正されます。施行は、令和5年4月1日を予定しています。

キッカケは、令和3年5月に出された最高裁判決です。石綿ばく露の労働者が健康被害を被ったのは、労働大臣(当時)が規制権限を行使しなかったためと認定しました。

たとえば、安衛法22条では「事業者に対し健康障害防止措置」を義務付けています。労働大臣は、「安衛法で定義する労働者(労基法と同じ)」以外の者に対しても措置を講ずべきところ、安衛関連則のなかでは、規制対象を労働者に限定しているものもみられます。

この判決を受け、厚労省では、安衛法令全体について見直し作業を進め、「労働者と同じ場所で働く労働者以外の者」(一人親方など)も含める形で、条文の修正を図ります。

たとえば、立入禁止に関し、「作業に従事する労働者」とあるのを、「作業に従事する者」に変更するなどのパターンが考えられます。ただし、一人親方等は事業者と指揮命令関係にないことから、「配慮規定」や「周知義務」という形で追加される部分もあります。

年休使えず休職期間満了? 始・終期の時季指定不明確

私傷病休職期間の満了で退職となった従業員が「年休取得が認められれば休職期間は伸びていたはず」と主張した事案で、東京地方裁判所は従業員側請求を棄却しました。

建材等の商社で働いていた従業員は、「ストレス反応で2カ月間の自宅療養になったので、「今月3日から年休をいただき、その後は病欠でお願いします」とメールを送信しました。

会社はそれに基づき「10日付で私傷病休職を発令」し、就業規則に基づき3カ月の休職期間満了後、退職という扱いになりました。従業員はいったん退職書類に署名押印しましたが、その後、就労可能という診断書を提出して復職を求め、争いとなったものです。

従業員側は「メールは可能な年休(19日)をすべて消化した後、休職に入る趣旨だった」のに会社は4日の消化しか認めず、退職に追い込まれたと主張しました。

しかし、裁判所は「年休は、労働者の意思のみで就労義務を消滅させる効果を発生させるため、始・終期は明確であることが必要で、メールは終期の明確性を欠く」と述べ、期間満了による自然退職を有効と判断しました。

感情的な対応はタブー 日商がパワハラ防止冊子

令和4年4月から、中小企業に対してもパワハラ防止措置が義務付けられます。日本商工会議所は、中小企業向けに、管理監督者の留意事項などを盛り込んだガイドブック(ハラスメント対策BOOK)をHP上で公開しました。

同会議所が実施した調査では、「パワハラ対策と適正な指導との困難」等の悩みを抱えている実態が明らかになっています。このため、ハラスメントの定義や実例、防止措置・事後対応等に至る一連の流れ等を詳しく説明しています。

管理監督者自身が感情的になってしまった場合、「日を改めて指導」するのが望ましく、「部下が泣いている間は、何をいっても論理的に理解されず、叱られたという記憶のみが残る」と指摘しています。


カテゴリー:所長コラム

積極的プラス思考

2022年04月01日

今のコロナ禍に見舞われる大学生は「令和のロストジェネレーション」になる恐れがある。これは、昨年12月に日経新聞の特集で取り上げられた言葉です。コロナ禍で思うように就職活動が出来ずに「志望業界の変更を余儀なくされた」「思い描いていた人生とは違うものになってしまった」という学生のことをいうそうです。「学生時代にあなたは何に力を入れましたか」という質問が採用面接での定番ですね。多くの企業はこの質問からその学生の人柄を聞き出したいと考えます。この学生時代に力を入れたことを「ガクチカ」というそうですが、今の学生はコロナのために就職活動に向けた活動がほとんどできていないために「ガクチカ難民」といわれていると記事にありました。たしかに、うちの息子の大学でも入学式後のオリエンテーションで、「就職活動のために○○に参加してください。サークル活動をしましょう。アルバイトも頑張りましょう。」みたいな話をされていて、大学の4年間が就職活動のためにあるなんておかしな話だと感じたことを思い出しました。記事には「大事なのはコロナを前向きにとらえて取り組めるか。この経験を次の挑戦につなげて欲しい。」とありましたが、そのとおりだと思います。自分がやってきたことを必要以上にキレイに飾る必要はなくて、今をどう考えてこれからどうしたいのかしっかりアピールすべきです。しかし、現実的にはガクチカに関する質問を取りやめる企業は一部にすぎないそうです。

松下幸之助は「道をひらく」の中で、「仕事には知恵も大事。しかし、もっと大事なことは些細と思われること、平凡と思われることも、おろそかにしない心がけである。むつかしいことはできても、平凡なことはできないというのは、本当の仕事をする姿ではない。些細なこと、平凡なこと、それを積み重ね積み重ねきて、そのうえに自分の知恵と体験とを加えてゆく。それではじめて、あぶなげのない信頼感が得られるというものである。賽の河原の小石はくずれても、仕事の小石はくずれない。」といいます。

そして発明家のエジソンの話です。エジソンは67歳の時に研究施設が火事になり、実験道具や資料など重要な物がすべて焼け落ちてしまい大きな損害を被ります。そのときエジソンは「自分はまだ67歳でしかない。明日からさっそくゼロからやり直すつもりだ。いままで以上に立派な研究施設をつくればいいのだ。意気消沈している暇はない」と平然と言ってのけたそうです。そんなエジソンは時間という概念に縛られることをひどく嫌っていたといわれています。私たちの生活は、「1日=24時間」です。しかし、エジソンからすると、1日が24時間であるというのは、人間が人工的につくったものであって、自分が時間の主人公になれば、1日を36時間でも48時間でも、自分の好きなように使えるはずだ、となるそうです。そんなエジソンですから、彼の工場の時計には、長針も短針もなかったそうです。他人になぜ時計に針がないのかと訊ねられたところ、「時間というものは、自分でコントロールすべきもの。時計のような出来合いのバロメーターに左右されているようでは何もできない。疲れたと思えば、その場で休めばいい。仕事が完成するまでが昼間だ。自分の体にあったリズム、これを自分でコントロールすることが大切だ」と答えたそうです。「どうすれば成功できるか」と問われたエジソンは「野心、常識にとらわれない創造力、昼夜を問わず働く意志」の3つを挙げたといわれています。エジソンにとっては「まだ67歳」の自分にはまだまだ大きな仕事をするには十分な時間があるということになるようです。

最後は、高校のバレーボールチームを率いて合計77回の全国大会に出場して、そのうち12回全国制覇を成し遂げた国分秀男氏がいう「積極型プラス思考型人間」についてです。国分氏は、「人は成功した部分だけを見て他人を羨んだりしますが、その陰には何十倍、何百倍もの苦しみがあるものです。長い人生、誰もが苦しい場面に遭遇する時があります。しかし、それをどう受け止めるかが大事です。」といい、人が苦しい場面でどう行動するかを3つのパターンに分けています。一つ目が「絶望諦め型」。苦しくなると「もうダメだ、無理だ」と思うタイプ。二つ目は「嫌だけど、しょうがないからやるか」という「消極的納得型」。そして三つ目が「この苦しみが俺を磨いてくれる。これを乗り越えれば一つ賢くなれる」と考える「積極的プラス思考型」。「この世で我慢の時なくして夢を実現した人は一人もいません。夢を追うなら、わが身に降りかかるすべてを積極的プラス思考で受け止め、簡単に諦めないこと。それが人生を開発していく基本ではないかと思います。」 今、就活中の大学生やわたしたちにも必要な言葉であるように感じました。 (参照:「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」藤井秀昭 監 致知出版社 より)

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆ニュース

賃上げ率2%に届かない可能性も 国・経営サイドの積極姿勢を期待

2021年の賃上げ率は1.86%で、前年を0.14ポイント下回りました(厚労省集計)。足元の経済指標は回復基調にあるものの、オミクロン株拡大をはじめ不安要素も山積です。経済コンサルタントの予測では、2022年の賃上げは2%をはさむ攻防となりそうです。

賃金システム研究所の赤津雅彦代表は、「企業が社内留保を積み上げ、賃上げ原資は不足しないが、日本の景気は世界から取り残されている感がある。積極的な景気対策が打たれず、経営者マインドが冷え込んだままでは、今年の賃上げは1.75%に届かず、実質的な『ベースダウン』となるおそれもある」と警鐘を鳴らしています。

プライムコンサルタントの菊谷寛之代表は、「『新しい資本主義』を掲げる岸田政権は配分政策を標榜するものの、政労使ともに長年の低賃上げを打破する力強いビジョンを描けていない。主要企業の定期昇給は5500円で、ベアを昨年の2倍強(800~1000円)と見込めば、2022年の賃上げは率換算で2.0~2.1%となるが、労使の積極姿勢がその前提となる」と分析しています。

3年間の監理費141万円 外国人技能実習で初調査

外国人技能実習機構は、受入れ企業が監理団体に対して支払う監理費に関して、初のアンケート調査結果をまとめました。

技能実習修了までにかかる費用平均は、1号(1年間)が70万8014円、2号(3年間)140万6318円、3号(5年間)198万1622円でした。

監理団体は、受入れ企業・実習生から原則としていかなる費用も徴収できませんが、通常必要な経費については、あらかじめ用途・金額を明示したうえで徴収できます。

対象となるのは、職業紹介費(募集・選抜費等)、講習費(講師代・教材費)、監査指導費(必要な人件費)、諸経費(渡航費)の4種類です。

◆労災認定状況

労災不支給を取り消す 過労死新基準が影響 柏労基署

千葉・柏労基署は、脳内出血を理由とする労災認定の不支給処分を取り消しました。労災の請求をしたのは居酒屋で働いていた調理師で、労基署の決定を不服として裁判で争っていました。

発症前2~6カ月間の時間外労働はいわゆる過労死ライン(平均80時間以上)に達していませんでしたが、「不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務」が常態化していました。

労災の過労死認定基準は、令和3年9月に改正・適用されています(令3・9・14基発0914第1号)。新基準では、過労死ラインは従来数値を維持しつつ、「勤務時間の不規則性」など「その他の負荷要因」について、より詳細な考え方を示しました。

同労基署では、これを踏まえ、裁判結審前に自己の判断で不支給処分を撤回したもので、新基準の影響で不支給処分が取り消されたのは、全国初の事案です。


カテゴリー:所長コラム

間違って支払われた年金の行方

2022年02月01日

昨年の暮れに息子と温泉に入ったときの脱衣場でのこと。息子がぼくに向かって「セーターを着たお父さんってお腹が出ていてカッコ悪くなったよね。でも、仕事のときのお父さんはカッコいいと思ってるよ。少し痩せたらいいのに…」。いつの間にか上手いこと言うようになったもんだと感心しながらも、最近は、かかりつけ医からも、「痩せなさい!」と注意される始末なので、今年の目標は、「ダイエット」に決まりです。この1年間は、生活習慣の改善にしっかり取り組みます。昨年暮れに厚労省が公表した健康寿命の最新値ですが、男性72.68年、女性75.38年となったそうです。考えてみれば、その年齢まであっという間のように思います。健康寿命は「日常生活に制限がない期間の平均」の推計値とされています。健康維持は、健康を損なう前の早いうちからの取り組みが大事なんでしょうね。

先日、ある方から年金についてのご相談がありました。その内容ですが、簡単に言うと日本年金機構から、受給している年金の額について計算誤りがあったので、受給中の年金について、本来の正しい年金額に訂正を行うためにその額を減額し、さらに誤って多く支払った年金のうち時効となっていない過去5年以内の分について返して欲しいというお知らせがあったということでした。その方は、「日本年金機構が、年金額の計算を誤って年金額を決定し、勝手にその額を長年に渡って振り込んできていたのに、今になってその額は間違っていたので返して欲しいと言われても、その額は数百万円にもなっていてとても返すことができる金額ではないし、今の生活にも支障が出てしまう。日本年金機構の言う年金の減額の計算方法が正しいということであれば返さなければいけないと思うがどうしたらよいのでしょうか。それに今も誤っているとされている年金額が減額されないで振り込まれてきているので、返還しなければならない金額がどんどん増えているということになるのではないでしょうか。」ということでした。また、その方は事前に弁護士に相談したところ、「年金額が誤って振り込まれてきているということであるが、債務の不存在を知っていたときは、給付したものの返還を請求することができないとする民法705条の規定がある。」と言われたとのことです。

民法705条は、非債弁済といわれ、債務がないことを知りながら自ら進んで給付し損失を招いた場合は、あたかも相手方に贈与したようなものであるから、保護する必要はないというのが趣旨です。しかし、不当利得として返還請求できるのは、債務がないことを知らなかった場合に限られることになるそうです。現在、振り込まれている年金額は、日本年金機構が「債務がないことを知りながら」振り込んできているといえるのでしょうか。支払う必要のない年金額だと機構がわかっていながら振り込んでいるのであれば、返す必要がないということになります。しかし、年金額の減額訂正を知らせてきているのに、当人がその手続きをしないために機構が年金額をそのまま振り込まざるをえずにしかたなく振り込んでいるようにも見えます。

この件に関して興味深い判例がありました。「富山傷病手当金併給調整事件」です。反復性うつ病により障害等級2級の障害厚生年金・障害基礎年金を受給していた原告が、線維筋痛症による1級の障害厚生年金・障害基礎年金を請求し、年金額が1級に改定され増額となったものの、傷病手当金をすでに受給していたことを理由に、傷病手当金のうち1級の障害厚生年金・障害基礎年金の全額に相当する額が併給調整(支給停止)されたことにより審査請求、再審査請求を経て富山地方裁判所で訴訟になった事件です。この事件に伴い、被告(全国健康保険協会)は、傷病手当金の減額分について不当利得の返還を原告に求めた別訴を提起しました。しかし、裁判所はこれを棄却しています。その理由ですが、原告が受けた傷病手当金の額が、仮に不当利得に当たり得るとしても、原告は受益について善意(ある事実を知らないこと)であったこと、そのお金は生活費に使ってしまっており、貯蓄するなどして資産の形成がされていないこと、現在も病気のため医療費や生活費の負担が大きいことにあります。受給により利益が現存していれば、原則として返還しなければならないということですが、本件の原告はたまたまお金が残っていなかったために返還義務を免れたということになるようです。民法703条不当利得の意味ですが、例えて言うと「大雨が降って隣の養魚池のコイやフナが自分の池に流れ込んできたときには、それを返さなければならないことはもちろんであるが、必ずしもそのコイやフナを、元通りの状態や数量でもって返せというわけではない。現状のままで引き渡せばよいのである。」(「口語民法」自由国民社)ということだそうです。      

特定社会保険労務士 末正哲朗

~ 弊社に新しく社会保険労務士が加わりました ~

【 ご挨拶 】   越田敏行と申します。平成31年4月に末正事務所に入社し、社会保険労務士資格 取得に向けて勉強に励んでおりましたが、この度の令和3年度の社労士試験に合格 することができました。無事、今年1月に社会保険労務士登録を済ませることが出 来ましたので、これからは有資格者としてお客様のお役に立てるよう一層、努力し てまいります。まだまだ駆け出しでございます。何卒、ご指導のほどよろしくお願い いたします。

社会保険労務士法人末正事務所

社会保険労務士 越田 敏行

◆最新・行政の動き

厚労省は、改正育介法の円滑な施行に向け、Q&Aやモデル規定・書式等を公開しました。改正法は、令和4年4月から段階施行されますが、企業では、新設された意向確認義務等の実施体制整備、就業規則等の改正等が急務となっています。

4月からの「育児休業等の情報提供」については、妊娠・出産の申出時に「制度周知は不要」と意思表示した従業員に対しても、法定の措置を講じる義務は発生すると指摘(書面で対応も可)。さらに、意向確認時に「休業取得予定なし」と回答した従業員であっても、正式な申出があれば、休業付与を拒めない点などを明らかにしています。

10月からの出生時育児休業に関しては、労使協定等の所要の手続きを踏めば、休業中の一部就労(あらかじめ出社予定決定)も可能ですが、その規定・書式例等も示しました。

◆ニュース

子育て理由の転勤拒否 懲戒解雇は有効と判示

転勤拒否を理由とする懲戒解雇を違法と訴えた事案で、大阪地方裁判所は、配転命令は権利濫用に当たらないとして、元従業員の主張を退けました。

裁判で、元従業員は「持病がある子供と高齢の母との3人暮らしで、転居を伴う配転は難しい」と主張しました。

入社以降、グループ企業内で10回を超える配転・出向を経験しましたが、就業場所は一貫して関西地区でした。しかし、今回は、会社が関西・西日本オフィスを閉鎖するため、業務集約先である関東地区への配転命令が出されました。

元従業員が拒否し、懲戒解雇されたため、裁判で争ったものです。会社が数回にわたって説得を試みた際、本人は詳細な説明をしませんでしたが、裁判所は「仮に事情が伝わっていたとしても、配転は権利濫用に当たらない」と判断しました。

判決文では「子どもの通院は月1回ほどで、母も要介護状態にないなど、転勤しても対応可能な範囲だった。配転命令に応じない事態を放置すれば、企業秩序維持に支障を来すおそれがあった」と述べ、懲戒解雇も有効としています。


カテゴリー:所長コラム

こころの持ち方

2022年01月05日

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成14年12月15日に社会保険労務士登録をして、今年の12月で20年を迎えることになります。社労士試験は、4回受験しての合格で決して出来の良い受験生ではありませんでした。当時の社労士講座の講師を務めていらした社労士の先生から「末正さんなら絶対に大丈夫だから」と何度も励まされての資格取得でした。その先生には、今もお世話になっていますが、当時から勝手に自分の師匠と決めて、いつかこの人に追いつきたいと頑張ってきました。

先日、ぼくには経験のない仕事の案件の依頼があり、師匠に久しぶりにご意見を聞かせてくださいと連絡をとり、お会いしてきました。ぼくは一人前の社労士になったつもりで師匠を訪ねたつもりでしたが、師匠と少し話をしただけで、ぼくは社労士として、師匠の足元にも及ばないことに気付かされました。息子が「簡単には負けないぞ!」と父親に腕相撲を挑んで簡単に捻られるようなものです。その時、師匠というのは大きく、有難い存在だと思いましたし、そんな方に社労士の仕事へと導かれて本当によかったと感謝しました。

今回は、1年の始まりなので、幸運を呼び込むことができる気持ちの持ち方(ぼくが信じている)の話をいくつかご紹介させていただきます。まずは、「こぶで有難い」。『昔、有難屋吉兵衛という男がいた。この男、すこぶる楽天家であり、かつて不平不満を言ったことがなかった。その吉兵衛がある日、急いで外出しようとしたところ鴨井に頭をぶつけ、饅頭のようなこぶをつくった。しかし、痛いとも言わず、両手でこぶをおさえながら「有難い、有難い」と感謝するばかりだった。これを見ていた隣人は怪しんで尋ねた。「吉兵衛さん、あんたはこぶができるほどの怪我をしながら何が有難いのじゃ」吉兵衛さんは答えた。「有難いですよ。頭が割れても仕方がないのに、こぶくらいで済んだんですもの。実に有難いと思います。』痛くて仕方がないにもかかわらず、吉兵衛さんはこぶでよかったと言い、自身に起きた小さな「不運」にいつまでもとらわれないで、その程度のことで済んだと自分の「幸運」を喜んだわけです。「ユダヤ人は足を折っても、片足で良かったと思い、両足を折っても、首でなくて良かったと思う。首を折れば、もう何も心配することはない。」というユダヤ人のジョークがあるそうです。「生きているからこそ心配できるのであって、もしも首を折って死んでしまえば心配することさえできない。だから、首が折れなかったことに感謝しよう。一方で首が折れて死んでしまえば永遠に心配から解放されるわけだから、それもまためでたいことなのである。」「失ったことを気に病むではなく、残ったものに感謝をする。そして、その残ったものを最大限に活かすことを考える。」なかなかこのように気持ちを保つことは難しいことだと思いますが、このような状態に自分の気持ちを保つことが、必ず良い運を招き入れることができる秘訣なのではないでしょうか。

次は、「人間万事塞翁が馬」です。『昔、中国北方の国境近くに住む老人(塞翁)の馬がいなくなった。人々が気の毒がると、老人は「なに今に良いことがあるよ」と平気だった。やがて、その馬は駿馬を連れて戻って来た。人々が「よかった、よかった」と祝うと、「今度はこれが不幸の元になり、何か悪いことが起きるかもしれない」と喜ばなかった。案の定。その馬に乗った老人の息子が落馬して足の骨を折ってっしまった。人々が見舞いに行くと、老人は「これが幸福の元になるだろう」と平気だった。一年後、胡軍が大挙して攻め込んできて戦争となり、健常な若者たちはほとんどが連れていかれて戦死した。しかし、足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだ。』この話は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸也氏が好きな寓話であるとして知られているそうです。山中氏は高校生向けの講演会で、「人生の四八年間、特に後半の二十年間くらいを振り返ってみると、本当にこの『万事塞翁が馬』だなと。本当に大変なこともあるし、うれしいこともある。でも、大変だと思ったことが実はうれしいことの始まりだったり、ものすごくいいと思ったことがとんでもないことの始まりだったり。ということですから一喜一憂せずに淡々と頑張るということを…わかってもらえたらなと思います。」と話されたそうです。よく現在と未来は変えられるけど、過去は変えられないといいますが、実は過去に起こったことを自分がどう考えるかによって意味が変わる、ようするに現在も未来も過去も変えられるということだとこの寓話は教えてくれています。

(参照:「ものの見方が変わる 座右の寓話」戸田智弘著 ディスカバートゥエンティワン)

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

働き方改革関連法(改正労基法)が施行されて2年半余りが経過しましたが、厚生労働省では、猶予措置終了(令和6年3月末)後の取扱いに関する法整備を加速させています。

改正労基法では時間外上限(単月100時間未満、年720時間以内等)を定めましたが、自動車運転・医師の業務、建設の事業等については猶予措置の対象となっています。

このうち、「自動車運転の業務」に関しては、「改善基準」を改正します。労働政策審議会が示した案では、タクシーの場合で、1カ月の拘束時間を288時間、休息期間を1回11時間(週3回まで9時間)等に修正するとしています。

「医業に従事する医師」については、改正医療法により5区分に分けた規制が実施されますが、一般的な医業で年間上限を960時間等と定める省令が公布される予定です。

◆ニュース

連合・2022春闘の方針案決定 目標ターゲットは35歳28.9万円

連合は、中央委員会で2022年の春闘方針を決定しました。芳野友子新会長が主唱する格差是正へ向け、「底上げ・底支え・格差是正」の要求指標パッケージを明らかにしています。

賃上げ要求については7年連続で、定期昇給2%の確保に加え、2%程度のベースアップを求めます。

「底支え」の取組としては、企業内のすべての労働者を対象として、時給1150円以上の企業内最低賃金協定の締結を目指します。基準を昨年より、50円引き上げました。

格差是正に向けた要求指標に関しては、目標水準を35歳28万9000円、30歳25万9000円としました。2021春闘より、それぞれ2000円、3000円アップさせています。

◆送検

複数月平均で上限規制超え 虚偽の残業時間を記載 上田労基署

長野・上田労基署は、複数月平均の時間外・休日労働数が上限を超えた等の理由で、鋼材・鉄筋加工販売業者を長野地検上田支部に書類送検しました。

 働き方改革に伴う改正労基法では、時間外・休日労働の上限を1カ月100時間未満、2~6カ月平均で80時間以下等と定めています(中小は令和2年度から適用)。

しかし、同社の製造部門で働く労働者のうち8人は、半年の時間外・休日労働が毎月100時間を超え、当然のことながら2~6カ月の平均も規制の枠を超えていました。同労基署では、「平均80時間超え」違反に対する送検は、全国でも初めてとしています。

同社は臨検を受けた後、是正報告を出していましたが、二重帳簿の疑いが生じ、再度臨検を実施し、事前情報等に基づき、虚偽記載の事実が発覚しました。


カテゴリー:所長コラム



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