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4月施行 労働法令改正点

2023年04月03日

この4月にうちの息子が大学を卒業して社会人になりました。やっと親としての責任も果たせたのかなと思いつつ、弊社は、息子が2歳のときに個人の社労士事務所を開業してちょうど20年となり感慨深いものもあります。息子が幼い頃は、お父さんは家にいないのが当たり前で少しさみしい思いもさせましたが、ずいぶん立派になってくれたと感謝しています。

 新卒といえば大卒初任給の引き上げが大きく報道されています。来春に向けて25万円から30万円とする企業があるなど、人手不足が理由というより未来の基幹人材に投資する意欲が高まっているようです。みずほフィナンシャルグループでは、大卒の水準を26万円に設定していて、みずほ銀行の場合は、前年度から5.5万円の大幅アップになるそうです。高騰ぶりが目覚ましいといわれるゲーム業界では、29万円に引き上げる企業もあるなど、5万円超の大幅アップに踏み切っていて、セガでは24年度の初任給として、前払い退職金を含め30万円とするということです。新卒人材の獲得競争とはいえ、入社1年目からこの金額を支払い、その後の昇給はどうするのかというような疑問もありますが、この何十年も変わらなかった新卒の給与が物価上昇という要因もあるなかで上昇するということはよいことにはちがいないですね。

賃金に関する話をもうひとつ。デジタルマネーによる給与の支払いが、令和5年4月から解禁になります。労基法の改正により賃金の支払いは、現金、銀行振込、総研総合口座振込、現物支給に加えて「デジタル口座支払」が加わります。賃金決済法に規定された資金移動業者は、利用者に対してウォレットやアカウントを提供し、あらかじめチャージした金額に応じて、デジタルマネーを残高として発行し、そのデジタルマネーを決済や送金に利用したり、出金したりすることができるサービスを行っています。そういった資金移動業者が厚生労働大臣の指定を受けて口座への資金移動による賃金の支払いを行うことを賃金デジタル払いといいます。スマホ決済を日常的に使っている人にとってはチャージする手間が減るという意味ではメリットになるでしょうし、企業にとってもスマホ決済事業者の多くが、自社サービス内での送金手数料を無料にしているのでコストが軽減されることになります。そもそも賃金デジタル払いは世界で進んでいるサービスだそうです。世界銀行によると、銀行口座を保有していない成人は約14億人いてこのデジタルサービスを利用しているとのことです。日本に働きにくる外国人労働者は自国にいる家族への送金に苦労していると聞きますが、アプリ上で送金できるようになれば、手続きは簡単になり、送金手数料も不要にすることもできるようです。

日本のキャッシュレス普及率は、2010年の13.2%から2021年には31.5%まで伸びています。賃金デジタル払いがどれだけの影響を与えるかは不透明ですが、内閣府の国民経済計算によると、国内における雇用者報酬は総額で約300兆円近くあって、そのうちの一部であっても、銀行からスマホ決済事業者に流れるとなると社会への影響は大きいと思われます。一方で、会社の実務への影響ですが、あまりないのではといわれているようです。現行の給与支払いの作業にデジタルマネーの口座への入金という作業が加わるだけだという意見も多いようで、またそもそも労働者から給与のデジタルマネー払いを求められたとしても、会社がその要求に応える義務はないということになります。労基法では、給与の支払いは基本的に現金払いであり、それ以外は例外的な措置とされているからです。

その他に令和5年4月に施行されるのは、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率50%以上引き上げが中小企業にも適用されることがあります。1か月の起算日から時間外労働時間数を累計して60時間を超えた分について、50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。それにともないこれまでは就業規則に定めること等により明確にすることが望ましいとされていたため、特定してこなかった会社が多い法定休日ですが、今後は法定休日労働(35以上)との区別をする必要があることから、特定しておくべきだと考えます。また常時雇用する労働者数が1000人超の事業主に対して男性労働者の育児休業等の取得状況の公表が義務化されたり、健康保険の被保険者に支給する出産育児一時金が42万円から50万円に引上げられることになっています。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

厚生労働省は、昨年12月に成立した改正障害者雇用促進法に関連し、一定要件下での障害者雇用調整金および報奨金の減額の詳細を定める同法施行規則改正案などを明らかにしました(令和5年3月1日に一部公布)。

調整金の支給対象者数が10人(年換算で120人)を超える場合、超過人数に対しては、通常の金額よりも6000円低い1人当たり2万3000円を支給します。報奨金は、対象者が35人(同420人)を超える場合、同様に通常額より5000円少ない額を支給します。

また、調整金などの見直しとともに、 障害者雇用を後押しする助成金として、①中高年齢等職場適応助成金(仮称)、②障害者雇用相談援助助成金(仮称)の2種類を新設します。

①は、加齢によって職場適応が困難になった障害者(35歳以上)の雇用継続を図るため、職務転換のための能力開発や、必要な介助者の配置・委嘱などの措置を講じた事業主に支給します。たとえば職務転換に向けて能力開発を行った場合、対象の障害者1人当たり年間20万円を限度に支給します。助成率は4分の3。中小企業や障害者を多く雇用している企業については、30万円が上限となります。

②は、障害者雇用について企業への援助を行う事業者に対し、援助費用を助成するもの。援助を受けた企業が雇入れ・雇用継続のための措置を行った場合に、原則として60万円を支給します。

調整金などの減額支給の開始と助成金の新設は来年4月を予定しています。

◆ニュース

介護離職防止 代替要員確保を支援 両立助成金の拡充で

厚生労働省は令和5年度、両立支援等助成金を拡充します。

介護離職防止支援コースについて、従来の生産性要件を廃止して支給金額を見直すとともに、取り組みに応じた加算措置を新設します。取得時の支援では、作成した介護支援プランに基づき、労働者が5日以上の介護休業を取得した場合に30万円を支給。プランに沿って原職などに復帰させ、3カ月以上継続雇用した際にはさらに30万円を支給します。職場復帰時の助成金を受給する企業には、「業務代替支援加算」を新設。代替要員の新規雇入れに対して20万円を上乗せ支給します。また、労働者に対し仕事と両立支援に関する個別の周知と、雇用環境の整備を行った企業に対する加算措置(15万円)も新設します。

育児休業の取得を後押しする出生時両立支援コースと育児休業等支援コースには、男性の育休取得率などを公表した際の加算制度を設定します。

給料ファクタリング 貸金業・出資法上の貸付けに 最高裁が初めて決定

最高裁は、「給料ファクタリング」と称する取引きについて、貸金業法と出資法が定める貸付けに当たるとする決定を初めて下しました。

二審までの事実認定によると、東京都内の事業者が「給料ファクタリング」と称して、顧客となる労働者から賃金債権の一部を4割引きで譲り受け、割引後の額を賃金の「前払い」のような形で交付していました。労働者が希望した場合は賃金債権を割引前の額面額で買い戻すことができ、買い戻しを希望しない場合は使用者に債権譲渡通知をしますが、すべての顧客との間で買い戻しが実施され、譲渡通知は留保されていました。

最高裁は、賃金債権については、労働者が賃金支払日前に第三者に譲渡した場合であっても、その支払いにはなお労働基準法第24条(賃金の支払)の直接払い原則が適用されると指摘。譲受人は使用者に支払いを求められないため、労働者に買い戻させることでしか資金を回収できなかったと評価しています。形式的には債権譲渡だったとしても、実質的には同社と労働者間における、返済合意のある金銭交付であったとしました。上告を棄却し、有罪とした一審判決が確定しています。

給料ファクタリング業者が賃金債権譲渡を理由に、直接企業に支払いを求めるケースもあり、弁護士法人ALG&Associatesの家永勲弁護士は「事業者に支払ってしまうと、刑事罰の対象になる可能性がある」と注意を呼び掛けています。


カテゴリー:所長コラム

年収の壁

2023年03月01日

フィリピンを拠点にした特殊詐欺容疑事件が世間を騒がせています。その中で「闇バイト」が注目されています。闇バイトとは、高額報酬を提示して人を募集し、強盗や窃盗などの犯罪行為を手伝わせるものです。ぼくが大学生の頃ですから30年以上前の話を思い出しました。当時のぼくはアルバイトが楽しくて、大学の勉強はそっちのけでアルバイトばかりしていました。あるとき短時間で時給の良いアルバイトが求人誌に載っていたのでその仕事に応募し働き始めたんです。1回2回と仕事をするうち「この仕事は大丈夫なのか…」と不安に思い、周囲の人に不安を漏らしていました。あるときそういうぼくを見ていた一緒に働く中年の男性から「君はここにいるような人じゃないよ」と耳元でささやかれ、急いでその仕事を辞めたことを思い出しました。当時、大手の求人誌での募集で普通の仕事だと思っていましたが、あらためて誰でもいつの間にか犯罪者に仕立て上げられてしまう落とし穴が世の中にはあるのだと思いました。

 「『大学』に学ぶ人間学」で田口佳史氏は「正しいとは一体どういうことか」を説明されています。「正しいとは何かというとき、文字の持つ意味合いから考えることができます。「正」という字は「一」と「止」からできています。これは「この線で止まれ」という意味を持っています。したがって、正しいことをやろうと思ったら、基準となる線が必要なのです。外に出ると、道路は線だらけ。その線は「赤信号のときはここで止まってください」とか「歩くときはこの線に沿って歩いてください」という意味を表わしているわけです。しかし、そのように言われないと守れないというのは、本当は恥ずかしいことです。そういうものがなくても守らなければいけないと自ら思うものが「常識」や「良識」というものです。この「常識」や「良識」は、心の中に各々が引いている線なのです。これを「規範」と言います。」人は心の中に規範がしっかり植え付けられていることが大切なのだと思いました。(参照:「『大学』に学ぶ人間学」田口佳史氏著 致知出版社)

 2月初めの日経新聞に「『年収の壁』対策 就労促進を探る」という記事がありました。岸田首相は、一定の所得を超えると税や社会保険料が発生するため女性の就労抑制につながっている「年収の壁」への対応を検討するとしました。一般的には5種類の「年収の壁」があり、住民税が発生する100万円、所得税が発生する103万円、一定条件を満たすと社会保険に加入義務が生じて社会保険料が発生する106万円及び130万円、配偶者特別控除が減り始める150万円となっていて、特に影響が大きいのは手取り額が大きく減ってしまう「106万円」と「130万円」の壁と言われています。長年指摘されてきた「年収の壁」の問題ですが、これを機会に制度の見直しが進むと良いと考えますが、自民党の議員が予算委員会で、「年収が一定額を超えた瞬間、働いても社会保険料の負担で逆に所得が減る。さらに働き続けないと壁を越えられない」として、制度変更には時間がかかることから、一時的に政府が扶養者の新たな保険料負担を補助した上で、その間に制度の抜本改革に取り組むように提案していましたが、そもそもの問題は、扶養という制度に対する「不公平」という考え方が根底にあると思うので、この提案には無理があるではないかと感じました。

 今の日本経済にとって人手不足が大きな懸念材料になっています。人口減少や高齢化の加速で2022年の就業者数は新型コロナウィルス禍前の2019年の水準に戻っていないこともあり、外国人観光客が戻り始めているホテル業界では、清掃や配膳を担う従業員が足りず客室数の上限まで予約を取れない施設もあるそうです。また、飲食業界も居酒屋を中心にコロナ禍から回復してきていますが、人材不足は深刻です。

ここ数年の最低賃金の大幅な引上げもあって、過去25年間でパート労働者の賃金は29%上昇しているにもかかわらず、年収の伸びはわずか4%に留まっているそうです。「年収の壁」による勤務時間の調整がなくなることで労働供給が増えて、日本経済に良い効果となることが期待できますが、そもそもこれまで厚労省は勤労者であれば全員、社会保険に加入することを目指すとしており、それは社会保険制度の安定のために保険料の徴収を増やしていく必要があることだと考えると、「年収の壁」を壊すのではなく、すべての短時間労働者も含めて社会保険に加入させていくことになるのではないかと考えました。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

厚生労働省は、育児・介護休業法の見直しに向け、「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」を設置し、第1回会合を開きました。平成28年および29年の同法改正の施行後5年が経過したため、改正法の附則に基づき施行状況を確認し、今後の両立支援制度のあり方を検討します。

1月26日に開催した初回会合では、研究会における検討事項として①介護との両立を実現するための制度、②育児との両立を実現するための制度、③次世代育成支援対策の3点を提示。介護関連については、介護休業のほか、短時間勤務など選択的措置義務、テレワークの活用、介護休暇のあり方といった介護期の働き方が論点になります。介護に関する支援制度の周知も課題としました。

育児関連では、育児休業に加え、子の看護休暇や、子育て期の長時間労働の是正、柔軟な働き方について検討を進めます。たとえば、所定外労働の免除のあり方や、短時間勤務・テレワークを組み合わせた働き方の実現などが課題に挙がっています。 今後、企業からのヒアリングなどを通じて現状を把握したうえで、5月頃をめどに検討結果を取りまとめる考え。その後、法令改正も視野に、労働政策審議会で議論が行われる見込みです。


◆調査

3割弱で70歳まで就業確保 「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果

 厚生労働省は高年齢者の雇用確保措置などについて、労働者21人以上の企業、23万5875社からの報告に基づき、令和4年6月時点での実施状況をまとめました。

 令和3年4月から努力義務とされた70歳までの就業確保措置は、全体の27.9%に当たる6万5782社が実施済みとしました。前年比2.3ポイント増加しています。労働者301人以上の大企業では20.4%(同2.6ポイント増)、中小企業では28.5%(同2.3ポイント増)でした。

 措置の内容ごとの実施率は高い順に、「継続雇用制度の導入」が21.8%(同2.1ポイント増)、「定年制の廃止」が3.9%(同0.1ポイント減)、「定年の引上げ」が2.1%(同0.2ポイント増)、「創業支援措置の導入」が0.1%(変動なし)。

 70歳以上まで働くことができる企業は、同2.5ポイント増加し、39.1%となりました。


カテゴリー:所長コラム

『不思議なこと』に気づく

2023年02月01日

「中国人口減 61年ぶり」ということになったようです。中国は、2022年末の人口で、世界最大の人口大国の座をインドに譲りました。中国の一人っ子政策の影響が大きく国連推計では、1月1日時点の外国人を含めない中国の総人口は14億1175万人で、21年末から85万人減少した一方で、インドの人口は14億2203万人となり、中国は外国人を含めても追いつかないとみられています。世界経済をリードしてきた中国の成長力が衰えるといわれており、アジアのパワーバランスに今後、注目しなければなりませんね。

 昨年、2024年秋に健康保険証を廃止し、「マイナ保険証」に100%切り替えると政府の発表がありましたが、その後「マイナ保険証」への切り替えはあまり進んでいないようです。そんな中で、マイナンバーの利用拡大に向けた法改正案が国会に出されるそうです。法案の内容は、現在は社会保障と税、災害対策の3分野に限定しているマイナンバーの利用範囲の拡大が、法改正を経ずに省令により可能とするものです。国会の審議を経ずに行政の判断のみでマイナンバーの使途拡大が進む恐れがあることや、個人情報漏洩のリスクといったところが国会で議論が交わされることになりそうです。

しかし、そもそもマイナンバーの利用拡大を阻んでいるのは政府であるとの記事を日経新聞が昨年、載せていました。編集委員の大林尚氏の「マイナンバーの呪いを解け」という記事です。そもそもカードを使っていろいろな行政サービスが迅速に行われるようになるなど国民にとって、良い面があるのは明らかです。しかし、マイナンバーがカードの裏面に印字され、番号をカバーで隠すようにするなど、政府自身がマイナンバーは秘匿すべきものという思想を作り上げてしまったと言います。平成28年1月にマイナンバーカードが交付され始めましたが、当初は他人に見られた場合、再発行することも可能とされていましたし、職場でマイナンバーを扱う社員は限定する対応も求められていました。大林氏は「国境をロシアと接するエストニアは、番号で把握した国民の情報を国外のサーバーにも置いている。万に一つの有事の際、国土を支配されても国としての機能と行政サービスを続けるためだ。日本近海のきな臭さを考えると、対岸の火事とは片づけられまい。マイナンバーの呪いを解くのは、私たち自身である。」と話されています。

 次に年金制度改正法についてです。公的年金制度は、長期的に財政の健全性が維持される必要があるため、定期的な検証がなされます。それは財政検証といわれるもので、2004年に導入されました。それ以来、財政検証は5年ごとに実施され、次回は2024年に予定されています。その2024年財政検証が今、注目されています。それは基礎年金の加入期間を現在の40年から45年に延長することが課題に上がっているからです。2019年の財政検証の追加試算の結果で、基礎年金水準の低下防止、年金制度の所得再配分機能の維持・強化に取り組む必要が確認されていますが、経営コンサルタントの小宮一慶氏は、著書「社長の成功習慣」(ダイヤモンド社)で、2019年度の国家予算における社会保障費の額について話されています。「2019年度の予算総額は約101兆円で、その中で最も大きな割合を占めるのは社会保障費です。実に34兆円にも上っているのですが、みなさんはこの数字を見て『不思議だな』と思いませんか?私たちは、毎月、税金とは関係ないところで公的年金保険料や健康保険料などの社会保険料を払っています。それに、年金についていえばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がみなさんの年金積立金を預かっていて、それは今160兆円ほどあります。それなのに、年金と医療費のために一般会計からそれぞれ十数兆円も拠出されているのはおかしいと思いませんか?結論を言ってしまうと、『社会保険料だけでは社会保障が成り立たない』からこのような事態になっているのです。(中略)GPIFが預かっている160兆円のお金についても、自分の頭で考えてみましょう。(中略)日本の人口はおよそ1億2600万人ですが、公的年金に加入していない20歳未満の子どもが2116万人ほどいるので、『年金保険料を払っている人と年金をもらっている人』はおよそ1億人いることになります。160兆円をこの1億人で割ると、1人あたりの金額はたったの160万円にしかなりません。」

 小宮氏は、「『不思議なこと』を見つけたら、自分の頭で考えてみることが大切」だといいます。何事にも関心を持って「不思議なこと」に気づけるようにしておくことも忘れないようにしないといけないと思いました。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

労働政策審議会の部会は、今年4月から失業等給付分の雇用保険料率を0.2%引き上げ、法律上の原則どおり0.8%にすることを了承しました。引上げ後の雇用保険料率は1.55%となります。

雇用保険財政はコロナ禍前までゆとりがあったため、料率は法律で定める原則よりも引き下げていました。財政がひっ迫するなか、令和4年度はそれまで労使折半で0.2%だった失業等給付分の引上げを決定。激変緩和措置として9月まで0.2%を維持し、10月以降も0.4%引上げの0.6%に抑えていました。

同措置は今年3月で終了し、4月以降は、失業等給付分を原則どおり0.8%とします。労使で折半する育児休業給付分の0.4%と、事業主が負担する雇用保険2事業分の0.35%は据え置きます。全体の保険料率は1.55%で、うち使用者負担は0.95%、労働者負担は0.6%。

昨年12月16日の部会で使用者委員は、「失業等給付や2事業分の残高が枯渇している状況などを考えれば、保険料の原則復帰はやむを得ない」と理解を示す一方、「使用者の負担増加は賃上げマインドを低下させる懸念がある」と指摘。雇用保険財政の安定化に向けて、一般会計からのさらなる組入れを求めました。

◆ニュース

労働局に「荷主対策チーム」 改善基準告示の改正受け

 厚生労働省はこのほど、トラックなど自動車運転者の拘束時間を定めた改善基準告示を改正するとともに、令和6年4月の告示適用に向けた周知態勢を整えました。

トラック運転者の改善基準告示は、1年の拘束時間の上限を現行の3516時間から原則3300時間、最大3400時間に引き下げるとともに、1カ月の拘束時間の上限を原則293時間から同284時間に変更しました。継続8時間以上の確保を義務付けていた1日の休息期間も拡大し、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない」と定めています。

 トラック運送業では、荷主の都合で長時間の荷待ちが発生するケースが少なくないことから、各都道府県労働局に、管内労働基準監督署と労働局の担当官による「荷主特別対策チーム」を立ち上げています。厚労省ホームページ内の情報提供メール窓口に寄せられる情報に基づき、労基署のチームメンバーが発着荷主を訪問し、恒常的な荷待ちの改善に向けた配慮を要請します。

◆調査

残業長いほど増加傾向 コロナ禍における職業生活のストレス調査

 連合は「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」をまとめました。コロナ禍前と比べた仕事や職業生活に関してのストレスの増減について聞いたところ、「かなり増えた」もしくは「やや増えた」と回答した人の割合は36.6%。「かなり減った」と「やや減った」の合計は8.3%でした。


残業時間についてみると、時間が長いほど、ストレスが「かなり増えた」人の割合が高く、具体的には、「10~20時間未満」が12.8%、「20~40時間未満」が14.7%、「40時間以上」が20.7%となっています。 職場でのコミュニケーションについて、「悩み、不満、問題を上司に伝えやすい」と回答した人の割合は、ストレスが増えた人では35.2%でした。ストレスが変わらなかった人などを含む全体の割合(46.3%)と比べて10ポイント以上低くなっています。


カテゴリー:所長コラム

徳を積む

2023年01月05日

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

新しい年が始まるにあたって、古くから徳を身につけようとする人が、最初に読むべき本と言われている「大学」についての話をしたいと思います。(「『大学』に学ぶ人間学」より 東洋思想研究家 田口佳史氏著 致知出版社)

「大学」の巻頭には「大学の道は、明徳を明らかにするに在り」と書かれていて、ここに本義があるといわれています。江戸時代には、立派な人間になりたい人はまず「大学」を読むべしといわれ、今ならば小学校一年生の一学期の最初の授業で教えられていたそうです。まずはこの最初に出てくる「明徳」の意味を理解しないといけませんね。「徳」の概念ですが、本では松下幸之助さんの話が取り上げられています。筆者は、松下幸之助さんに「経営の神様と言われているあなたに、是非伺いたいことがあります。経営者というのは、いかなる条件を持っていないとできないものでしょうか?」と質問します。すると松下さんは即座に「運が強くなければダメだ」と答えたそうです。続けて「運を強くするにはどうしたらいいのですか?」と聞くと、この質問にも間髪入れずに「それは徳を積むことしかない」と答えられました。著者の田口氏は、「運というのは、自分の力を超えた存在である宇宙の哲理に沿った行動を自分に課することが運を強くするためには重要だ」と言います。なかなか難しいですが、自分の人生をしっかり生きようと思えば、天の道理・道義をよく知ることが必要だということになります。松下幸之助さんも「宇宙の哲理を承知していなければ、成功しても結局足をすくわれて惨めな末路になってしまう」といっています。その意味は、「宇宙の大原則に即して生きていくことが成功の秘訣であり、それを言葉や立ち居振る舞いとして表現することが徳なのだ」といい、そして、「そこにはほんの少しもやましいことや私利私欲があってはいけない」とも言っています。

ぼくなどは、「じゃどうしたらいいの?」となりますが、田口氏は、「徳」を「自己の最善を他者に尽くし切ること」だと表現していて、その純粋な形で相手を思いやって自己のベストを尽くすことが大事だという答えに三十年もかかってたどり着いたそうです。この考え方は大成功した人が共通に語っています。松下幸之助さんや稲盛和夫さんはこれを「生成発展」といいます。その意味は、常に世の中は発展していて、その宇宙の原理に則るかぎり、必ず成功するようになっており、成功しないのは自分にとらわれたり、何かにこだわったりして、この自然の法則に則っていないからだということです。

経営コンサルタントの小宮一慶さんは、決して宗教の話をしているわけではないと前置きしたうえで、著書「経営者の教科書」の中で、人を害する、人の不幸を願う、ライバルを蹴落とす、自分だけが良ければいい、などというのは宇宙の原理に反することで、そういった点において自身や自社がより良い商品やサービスをお客様に提供することにより、社会に貢献することが宇宙の原理にかなっていると書いています。また自分や自社も発展を続ける、小宮さんの言葉にすると「なれる最高の自分になる」ように務めることが生成発展にかなっていて、そこに妥協する余地はありません。つまり、自分や自社が成長、発展が出来ているのか、そして常にそうなろうと努力し続けることことが大切だということです。ビジネスの世界は「弱肉強食」ではなく、「優勝劣敗」」であって、会社同士も社員同士もお互いが切磋琢磨して、発展していくことが正しい姿です。「自分の仕事を通じて社会に貢献すること」や「それを通じて働く人が幸せになること」が会社の存在目的であることを十分に理解していれば、そのために頑張ろうと思うことができるし、とくに経営者はしっかりとそのことを認識している必要があります。

中国の古典に「暗いところから明るいところはよく見えるが、明るいところから暗いところは見えない」というのがあります。経営者は明るいところにいて、比較的暗いところにいる部下という舞台の上と下というイメージです。経営者は部下の様子はそれほどよくは見えないけれど、部下たちからは経営者の動きは、とてもよく見えるものだという意味です。この一年、常に他人に見られているという意識をしっかり持ち、行動をしたいと思います。

特定社会保険労務士 末正哲朗  

◆最新・行政の動き

厚生労働省は、コロナ禍で助成内容を拡充している雇用調整助成金について、今年12月から原則として通常の制度に戻す方針を明らかにしました。助成の日額上限は中小企業・大企業ともに雇用保険の基本手当と同額の8355円を維持しつつ、休業手当相当額に対する助成率を中小企業3分の2、大企業2分の1に引き下げます(11月までの助成率は中小企業が原則10分の9、大企業が同4分の3でした)。

とくに業況が厳しい事業主に対しては、来年1月末まで助成額などを上乗せする経過措置を設定します。売上高などの生産指標が最近3カ月の月平均で前年、前々年、または3年前同期比で30%以上減少しているケースが対象。助成上限額は9000円で、助成率は中小企業が10分の9、大企業が3分の2。解雇を行った事業主は順に3分の2、2分の1とします。

新型コロナの影響で小学校などが臨時休業した場合に、子どもの保護者に有給の休暇を取得させた企業に支給する小学校休業等対応助成金については、支給対象となる休暇取得期間を来年3月まで延長する方針。日額上限額は8355円を維持します。

一方、緊急事態宣言の対象区域などの事業主へ日額1万2000円まで支給する特例措置は、11月末で廃止となります。

◆ニュース

労災認定 事業主の「不服」表明可能に 保険料引上げ巡り

厚生労働省は、自社の労働災害の発生状況に応じて労災保険率が増減する労災保険のメリット制について、事業主が労働保険料の引上げ決定後に「労災認定は違法」として保険料決定に関する不服を申し立てられるよう、行政解釈の変更を行う考えです。近年、保険料決定処分の取消し訴訟において、保険給付支給の違法性の主張が認められるケースが現れていました。

都道府県労働局長が行った保険料引上げの決定を不服として、事業主が厚労大臣に審査請求し、厚労省での審査において労災給付が支給要件に該当しないことが認められた場合、労働保険料の引上げは行わないものとします。一方、労働者に対する支給決定自体は取り消さない方向です。支給決定を取り消せば、いったん支払った給付の回収や支給打ち切りを行う必要が生じることから、支給決定を維持し、給付を生活の糧にしている被災労働者や遺族に甚大な影響が及ぶのを防ぎます。

産業医勧告 不利益取扱い禁止は努力義務 東京高裁

産業医事務所が、労働安全衛生法に基づく勧告権行使を理由に顧客企業から契約を解除されたと訴えた裁判で、東京高等裁判所は同事務所の請求を棄却しました。

同事務所の産業医は平成31年4月15日、勧告書を顧客企業の代表取締役に手交しました。内容は、同社の総括安全衛生管理者兼人事総務部長が不適切な健康管理運営をしているため、処遇を考えて欲しいというものでした。同社は勧告書の内容を踏まえ、弁護士を選任し、産業医を含めた関係者の聞き取り調査を進めた結果、指摘事項の多くは存在が認められませんでした。認められたものについても緊急の対応は必要なく、法令違反もないとの結論を得て、同年6月19日に産業医との契約を解除しました。

二審の同高裁は一審同様、契約解除を有効と判断しました。同社は勧告書を受け取った際、事実確認のうえ、必要に応じて改善措置を講じると約束しており、勧告権行使は契約解除の理由ではないと評価しています。産業医が同社の言い分に耳を貸さず、労基署の行政指導を示唆するなど、対決姿勢を深めていき、信頼関係破壊に至ったとしました。

勧告権行使を理由とする不利益取扱いを禁止した安衛則第14条4項の規定は「努力義務」と判示。委嘱契約は準委任に当たり、原則双方がいつでも契約解除できるが、安衛法第13条5項が労働者の健康確保のために産業医に職務権限を与えていることを考慮し、契約解除が法の趣旨を実質的に失わせている場合は権利濫用に該当するとしています。


カテゴリー:所長コラム

進化するデジタルマーケティング

2022年12月01日

日経新聞に「城崎温泉復活へ宿泊データ共有」という記事がありました。兵庫県の城崎温泉が生き残りをかけて宿泊データを地域内で共有し始めたというものです。最上位の企業秘密といえる各旅館の予約データを自動で収集・分析するシステムを構築し共有することで、各旅館は他の旅館や地域全体のデータを参考にして、需要予測や宿泊プラン作りなどに生かしているそうです。これまでは「いつどこから観光客が来ているのか、今までは正確に把握できていなかった」のが、ウェブのプラットフォームを使い、予約の日程、人数、金額、予約者の居住地域などを自動で収集し、温泉地全体の予約状況を可視化して、数カ月先までの需要を予測できる仕組みを作り上げたということです。個別の旅館名や予約者名などのプライバシーに配慮したうえで、プラットフォームに参加する旅館は自社のデータを提供する代わりに、同価格帯の旅館や地域全体の平均データなどを閲覧できるようになります。そうなると、たとえば「今月に入って東京からの予約が少し増えている」という情報がある時には、都民の誘客に注力するため都民向けの広告を大幅に増やしたり、連休中の同価格帯の旅館データから高価格の需要が見込めると判断できたときには、安売りプランの販売を控えても全客室に予約を入れられたりという成功事例が出てきて戦略がとても立てやすくなったそうです。

城崎温泉が情報共有に踏み切った背景には、新型コロナウィルス禍による旅行需要の激減があります。特に2020年度は観光客数が44万8千人と前年度からほぼ半減していて、旅館業の経営はこれまでの「勘と経験だけ」では立ちゆかなくなりました。それに加えて温泉地にくる旅行客は団体旅行から個人旅行へ移行していて、需要を可視化できる精緻なデータの必要性がますます高まっています。そして温泉旅館は競合するライバルでありながら運命共同体になってきており、また温泉地の活性化が、地域全体の潤いをもたらすという考えから他の温泉地でも個人客の嗜好の多様化を温泉地全体で応える取り組みが行われ始めています。

今、私たちはどんどん進化する「デジタルマーケティング」の時代に生きています。従来のマーケティングの手法に加えて、AIなどのデジタル技術の発達が「進化」をもたらしているといわれます。AIの発達に加えて消費者がネットを活用していることにより、企業は「購買前」のデータを「個別」に取得することが可能になったといわれます。たとえばネット上の購買履歴から、Aさんはどういう商品やブランドをよく買い、何と何を比較した後にどういう商品を買っているかということが分かり、また購入の時間帯も分かるので、企業側は、かなり精緻な「購買前」のデータを取得して、それに応じた個別の提案が可能になっています。その手法は現在の個人の嗜好の多様化にとてもマッチします。このように収集されたデータが、今後ますます、マーケティングだけでなく企業の戦略立案に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。

ちなみにマーケティングといえばやはりドラッカーですね。ドラッカーのマーケティングの本質をついた言葉と言われているのが、「マーケティングの目的は、セリングを不要にすることなのである。マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ。理想を言えば、マーケティングは製品なりサービスを買おうと思う顧客を創造するものであるべきだ。そうすれば、あとは顧客がいつでも製品やサービスを手に入れられるようにしておきさえすればいい。」(ピーター・ドラッカー『マネジメント』)です。ドラッカーは、マーケティングの目的は「セリング(営業活動)」を不要にすることだといいます。つまりマーケティングができていれば営業活動をしなくても商品やサービスは売れるということになります。言い換えると、企業が存続を許される条件は、良い商品やサービスを顧客に提供し続けることが必要だとなります。同じように松下幸之助氏は、社会の発展や人々の生活の向上のために企業が商品やサービスを提供することを行えている限り企業も生き残り、発展すると語っています。マーケティング活動が企業の存在意義そのものだと言われる所以です。ぼくもお客様のお役に立てる存在であり続けられるように努力して、常に謙虚でいられるなら長く社労士をさせてもらえるのであろうと信じています。(参照:「小宮一慶の実践!マーケティング」日本経済新聞出版社)

特定社会保険労務士 末正哲朗

最新・行政の動き

厚生労働省は、コロナ禍で助成内容を拡充している雇用調整助成金について、今年12月から原則として通常の制度に戻す方針を明らかにしました。助成の日額上限は中小企業・大企業ともに雇用保険の基本手当と同額の8355円を維持しつつ、休業手当相当額に対する助成率を中小企業3分の2、大企業2分の1に引き下げます(11月までの助成率は中小企業が原則10分の9、大企業が同4分の3でした)。

とくに業況が厳しい事業主に対しては、来年1月末まで助成額などを上乗せする経過措置を設定します。売上高などの生産指標が最近3カ月の月平均で前年、前々年、または3年前同期比で30%以上減少しているケースが対象。助成上限額は9000円で、助成率は中小企業が10分の9、大企業が3分の2。解雇を行った事業主は順に3分の2、2分の1とします。

新型コロナの影響で小学校などが臨時休業した場合に、子どもの保護者に有給の休暇を取得させた企業に支給する小学校休業等対応助成金については、支給対象となる休暇取得期間を来年3月まで延長する方針。日額上限額は8355円を維持します。

一方、緊急事態宣言の対象区域などの事業主へ日額1万2000円まで支給する特例措置は、11月末で廃止となります。

◆ニュース

労災認定 事業主の「不服」表明可能に 保険料引上げ巡り

厚生労働省は、自社の労働災害の発生状況に応じて労災保険率が増減する労災保険のメリット制について、事業主が労働保険料の引上げ決定後に「労災認定は違法」として保険料決定に関する不服を申し立てられるよう、行政解釈の変更を行う考えです。近年、保険料決定処分の取消し訴訟において、保険給付支給の違法性の主張が認められるケースが現れていました。

都道府県労働局長が行った保険料引上げの決定を不服として、事業主が厚労大臣に審査請求し、厚労省での審査において労災給付が支給要件に該当しないことが認められた場合、労働保険料の引上げは行わないものとします。一方、労働者に対する支給決定自体は取り消さない方向です。支給決定を取り消せば、いったん支払った給付の回収や支給打ち切りを行う必要が生じることから、支給決定を維持し、給付を生活の糧にしている被災労働者や遺族に甚大な影響が及ぶのを防ぎます。

産業医勧告 不利益取扱い禁止は努力義務 東京高裁

産業医事務所が、労働安全衛生法に基づく勧告権行使を理由に顧客企業から契約を解除されたと訴えた裁判で、東京高等裁判所は同事務所の請求を棄却しました。

同事務所の産業医は平成31年4月15日、勧告書を顧客企業の代表取締役に手交しました。内容は、同社の総括安全衛生管理者兼人事総務部長が不適切な健康管理運営をしているため、処遇を考えて欲しいというものでした。同社は勧告書の内容を踏まえ、弁護士を選任し、産業医を含めた関係者の聞き取り調査を進めた結果、指摘事項の多くは存在が認められませんでした。認められたものについても緊急の対応は必要なく、法令違反もないとの結論を得て、同年6月19日に産業医との契約を解除しました。

二審の同高裁は一審同様、契約解除を有効と判断しました。同社は勧告書を受け取った際、事実確認のうえ、必要に応じて改善措置を講じると約束しており、勧告権行使は契約解除の理由ではないと評価しています。産業医が同社の言い分に耳を貸さず、労基署の行政指導を示唆するなど、対決姿勢を深めていき、信頼関係破壊に至ったとしました。

勧告権行使を理由とする不利益取扱いを禁止した安衛則第14条4項の規定は「努力義務」と判示。委嘱契約は準委任に当たり、原則双方がいつでも契約解除できるが、安衛法第13条5項が労働者の健康確保のために産業医に職務権限を与えていることを考慮し、契約解除が法の趣旨を実質的に失わせている場合は権利濫用に該当するとしています。


カテゴリー:所長コラム



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