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積極的プラス思考

2022年04月01日

今のコロナ禍に見舞われる大学生は「令和のロストジェネレーション」になる恐れがある。これは、昨年12月に日経新聞の特集で取り上げられた言葉です。コロナ禍で思うように就職活動が出来ずに「志望業界の変更を余儀なくされた」「思い描いていた人生とは違うものになってしまった」という学生のことをいうそうです。「学生時代にあなたは何に力を入れましたか」という質問が採用面接での定番ですね。多くの企業はこの質問からその学生の人柄を聞き出したいと考えます。この学生時代に力を入れたことを「ガクチカ」というそうですが、今の学生はコロナのために就職活動に向けた活動がほとんどできていないために「ガクチカ難民」といわれていると記事にありました。たしかに、うちの息子の大学でも入学式後のオリエンテーションで、「就職活動のために○○に参加してください。サークル活動をしましょう。アルバイトも頑張りましょう。」みたいな話をされていて、大学の4年間が就職活動のためにあるなんておかしな話だと感じたことを思い出しました。記事には「大事なのはコロナを前向きにとらえて取り組めるか。この経験を次の挑戦につなげて欲しい。」とありましたが、そのとおりだと思います。自分がやってきたことを必要以上にキレイに飾る必要はなくて、今をどう考えてこれからどうしたいのかしっかりアピールすべきです。しかし、現実的にはガクチカに関する質問を取りやめる企業は一部にすぎないそうです。

松下幸之助は「道をひらく」の中で、「仕事には知恵も大事。しかし、もっと大事なことは些細と思われること、平凡と思われることも、おろそかにしない心がけである。むつかしいことはできても、平凡なことはできないというのは、本当の仕事をする姿ではない。些細なこと、平凡なこと、それを積み重ね積み重ねきて、そのうえに自分の知恵と体験とを加えてゆく。それではじめて、あぶなげのない信頼感が得られるというものである。賽の河原の小石はくずれても、仕事の小石はくずれない。」といいます。

そして発明家のエジソンの話です。エジソンは67歳の時に研究施設が火事になり、実験道具や資料など重要な物がすべて焼け落ちてしまい大きな損害を被ります。そのときエジソンは「自分はまだ67歳でしかない。明日からさっそくゼロからやり直すつもりだ。いままで以上に立派な研究施設をつくればいいのだ。意気消沈している暇はない」と平然と言ってのけたそうです。そんなエジソンは時間という概念に縛られることをひどく嫌っていたといわれています。私たちの生活は、「1日=24時間」です。しかし、エジソンからすると、1日が24時間であるというのは、人間が人工的につくったものであって、自分が時間の主人公になれば、1日を36時間でも48時間でも、自分の好きなように使えるはずだ、となるそうです。そんなエジソンですから、彼の工場の時計には、長針も短針もなかったそうです。他人になぜ時計に針がないのかと訊ねられたところ、「時間というものは、自分でコントロールすべきもの。時計のような出来合いのバロメーターに左右されているようでは何もできない。疲れたと思えば、その場で休めばいい。仕事が完成するまでが昼間だ。自分の体にあったリズム、これを自分でコントロールすることが大切だ」と答えたそうです。「どうすれば成功できるか」と問われたエジソンは「野心、常識にとらわれない創造力、昼夜を問わず働く意志」の3つを挙げたといわれています。エジソンにとっては「まだ67歳」の自分にはまだまだ大きな仕事をするには十分な時間があるということになるようです。

最後は、高校のバレーボールチームを率いて合計77回の全国大会に出場して、そのうち12回全国制覇を成し遂げた国分秀男氏がいう「積極型プラス思考型人間」についてです。国分氏は、「人は成功した部分だけを見て他人を羨んだりしますが、その陰には何十倍、何百倍もの苦しみがあるものです。長い人生、誰もが苦しい場面に遭遇する時があります。しかし、それをどう受け止めるかが大事です。」といい、人が苦しい場面でどう行動するかを3つのパターンに分けています。一つ目が「絶望諦め型」。苦しくなると「もうダメだ、無理だ」と思うタイプ。二つ目は「嫌だけど、しょうがないからやるか」という「消極的納得型」。そして三つ目が「この苦しみが俺を磨いてくれる。これを乗り越えれば一つ賢くなれる」と考える「積極的プラス思考型」。「この世で我慢の時なくして夢を実現した人は一人もいません。夢を追うなら、わが身に降りかかるすべてを積極的プラス思考で受け止め、簡単に諦めないこと。それが人生を開発していく基本ではないかと思います。」 今、就活中の大学生やわたしたちにも必要な言葉であるように感じました。 (参照:「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」藤井秀昭 監 致知出版社 より)

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆ニュース

賃上げ率2%に届かない可能性も 国・経営サイドの積極姿勢を期待

2021年の賃上げ率は1.86%で、前年を0.14ポイント下回りました(厚労省集計)。足元の経済指標は回復基調にあるものの、オミクロン株拡大をはじめ不安要素も山積です。経済コンサルタントの予測では、2022年の賃上げは2%をはさむ攻防となりそうです。

賃金システム研究所の赤津雅彦代表は、「企業が社内留保を積み上げ、賃上げ原資は不足しないが、日本の景気は世界から取り残されている感がある。積極的な景気対策が打たれず、経営者マインドが冷え込んだままでは、今年の賃上げは1.75%に届かず、実質的な『ベースダウン』となるおそれもある」と警鐘を鳴らしています。

プライムコンサルタントの菊谷寛之代表は、「『新しい資本主義』を掲げる岸田政権は配分政策を標榜するものの、政労使ともに長年の低賃上げを打破する力強いビジョンを描けていない。主要企業の定期昇給は5500円で、ベアを昨年の2倍強(800~1000円)と見込めば、2022年の賃上げは率換算で2.0~2.1%となるが、労使の積極姿勢がその前提となる」と分析しています。

3年間の監理費141万円 外国人技能実習で初調査

外国人技能実習機構は、受入れ企業が監理団体に対して支払う監理費に関して、初のアンケート調査結果をまとめました。

技能実習修了までにかかる費用平均は、1号(1年間)が70万8014円、2号(3年間)140万6318円、3号(5年間)198万1622円でした。

監理団体は、受入れ企業・実習生から原則としていかなる費用も徴収できませんが、通常必要な経費については、あらかじめ用途・金額を明示したうえで徴収できます。

対象となるのは、職業紹介費(募集・選抜費等)、講習費(講師代・教材費)、監査指導費(必要な人件費)、諸経費(渡航費)の4種類です。

◆労災認定状況

労災不支給を取り消す 過労死新基準が影響 柏労基署

千葉・柏労基署は、脳内出血を理由とする労災認定の不支給処分を取り消しました。労災の請求をしたのは居酒屋で働いていた調理師で、労基署の決定を不服として裁判で争っていました。

発症前2~6カ月間の時間外労働はいわゆる過労死ライン(平均80時間以上)に達していませんでしたが、「不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務」が常態化していました。

労災の過労死認定基準は、令和3年9月に改正・適用されています(令3・9・14基発0914第1号)。新基準では、過労死ラインは従来数値を維持しつつ、「勤務時間の不規則性」など「その他の負荷要因」について、より詳細な考え方を示しました。

同労基署では、これを踏まえ、裁判結審前に自己の判断で不支給処分を撤回したもので、新基準の影響で不支給処分が取り消されたのは、全国初の事案です。


カテゴリー:所長コラム


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