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温泉街の楽しみ方

2025年03月03日

寒い冬に温泉につかるのが大好きで、これまでいろいろな温泉地にでかけました。最近では宿泊客数の減少にたくさんの温泉地が悩まされていますが、そんな温泉地が新しい取り組みで大きく変化してきた様子が見られるようになってきたようです。温泉エッセイストの山崎まゆみさんが草津温泉の取り組みを紹介しています。(月刊誌プレジデント参照)「にっぽんの温泉100選」で22年連続1位となっている草津温泉は温泉街の中心にある湯畑が人気の温泉地です。草津温泉では、これまで宿泊層の多くを占めていたのは中高年層でしたが、現在は20代と30代の客層が約半数を占めるようになったというのです。ぼくも草津温泉には何度か行きましたが、湯畑の周りは若い人たちで溢れていて、テーマパークにいるような状態でした。草津に若い人を呼ぶきっかけになったのは、ある旅館経営者の「20代、30代の働いているお客様は『チェックイン時刻の遅延』と『夕食キャンセル』を希望される方が多い」という気づきにあるそうです。仕事のために丸2日間の休みが取れない若いお客様のために、仕事が済んだ遅い時間からでも1泊を楽しめるように「イチアサ(一朝)」という形態を思いついたそうです。イチアサというのは、一泊朝食付きの新しい宿泊形態です。温泉旅館の楽しみのひとつは豪華な夕食なのではないかと思いますが、イチアサでは、宿で夕食をとらないために夜の時間が自由になり、結果として、誰もいない共同湯を独占できたり、夕食は温泉街の食事処で、時間も種類も量も自由に選べることになったりで若い人たちに喜ばれたそうです。たしかに、予約サイトから草津温泉の宿をとろうとすると夕食がつかないプランがとても多く、ぼくみたいなおじさんはどうしても戸惑うことになります。イチアサの宿が増えたということのようですね。ただ一方で、草津の旅館のご主人からは「若い人たちは5人とかで夕食をとるのに街中の中華屋に入って、餃子一皿でビールを飲んで出ていくから迷惑している。」という話を聞いたこともあります。最近の外国人観光客のオーバーツーリズムの問題にも似ていますが、観光地に観光客が増えることはその地域の経済発展につながりますが、ニーズに合わせた住みわけがこれから必要になってくるのだろうと思いました。

先日、青山学院大学学長の稲積宏誠先生のお話を聞く機会がありました。青山学院大学といえば、陸上競技部の箱根駅伝での毎年の活躍や硬式野球部でも全日本大学選手権優勝、多数のドラフト指名選手などスポーツ面での活躍が注目されています。稲積学長はそういう選手たちをどう見ているのか。選手の全体練習は早朝だけとなっていて、あとは選手たちの自主練習に任されており、それが強くなるチームの特徴で、選手は自分で考えて、それを自分の言葉にして話せることが大切だと言われました。あとは「いつでも見られている感」を感じされることが大事だそうです。陸上競技部の原監督、硬式野球部の安藤監督ともに「名監督」と言われます。今年、野球のドラフト指名された学生は、「安藤監督は部員とのコミュニケーションを重視される方です。野球の技術や練習のやり方について細かく指導するというより、学生一人一人の考えを重視し、大人同士として接してくれています。」「この監督の下でなら、自分の野球を追求できると思った。」とインタビューに答えていました。「人は心底尊敬した人物から知らず知らずのうちに多くのものを学ぶ。学生でも偉い先生を心から尊敬している者は器量がどんどん大きくなる。しかし、先生を批判したり表面的に奉っているだけとなると、成長が止まる」といいます。(月刊到知 「特集師資相承」より)

このような部活動での監督と選手との関係は、最近の会社での上司と部下の関係の変化と同じように見えます。最近ではコミュニケーション能力のない人は「教える側」にはなれないといわれています。もちろんですが、良い「教える側」を求めるときは「学ぶ側」の姿勢にすべてがかかっていて、謙虚さが求められることになります。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

養育両立支援休暇 時間単位で取得が可能 短時間労働者でも 厚労省

厚生労働省は、今年4月から段階的に施行する改正育児介護休業法に関する通達を発出しました。

改正法では、今年10月以降、事業主に対し、同措置として、養育両立支援休暇の付与や、始業時刻等の変更、テレワーク等、短時間勤務制度などから2つ以上の措置を選択して講じるよう義務付けています。

通達では、柔軟な働き方を実現するための措置のうち、テレワーク等について、情報通信技術を利用しない業務も含むことを明確化しました。

養育両立支援休暇は、1年間に10日以上与え、具体的な用途を限定せずに利用できるようにする必要があります。利用例として、通常保育所に子を迎えに行く配偶者が出張で迎えができない日に、時間単位で休暇を取得し、保育所に迎えに行くケースを示しました。

1年間の起算日は事業主が任意に定められるとしました。同休暇の取得単位については、改正法で「1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、1日未満の単位(省令により時間単位)で取得することができる」と規定している一方、省令には規定がないため、労働者の所定労働時間数に関係なく、1時間単位で取得できるとしています。ただし、業務の性質または業務の実施体制に照らして、時間単位での取得が困難な業務に従事する労働者は、労使協定により、時間単位での取得ができない者と定めることができるとしました。

失効年次有給休暇の積立を、同休暇の付与措置として講じることができる点も明確化しました。

◆ニュース

経過措置でリーフレット くるみんの新認定基準 厚労省

 厚生労働省は、「くるみん認定」の新認定基準が今年4月から適用されるのを受け、認定申請の経過措置などに関するリーフレットを作成しました。令和6年度末までに開始した行動計画については、7年度以降の計画期間を、新基準を達成しているかどうかを判断するための計画期間とみなすことができるとしました。この場合、新基準達成による認定マークが付与されます。また、9年3月末までに申請を行った場合は、計画期間の時期にかかわらず旧基準の認定を受けられるとしています。

 新たな認定基準では、育児休業等取得率などに関する要件を厳格化しました。3段階の認定のうち、たとえば「くるみん」では、男性の育休等取得率の基準を従来の「10%以上」から「30%以上」に引き上げています。

 リーフレットでは経過措置の適用例も示しました。5~8年度の4年間を計画期間とする企業において、5~6年度の男性育休対象者が25人で取得者が計4人、7~8年度の対象者が30人で取得者が計10人の場合、5~8年度全体の育休取得率は30%に満たないものの、7~8年度に限れば33%に上るため、経過措置により新基準による認定を受けられるとしています。

◆監督指導動向

代休の見直し促す 割増賃金で相談めだつ 高崎労基署

 群馬・高崎労働基準監督署は、管内事業場へ代休と休日の振替の適正な運用を呼び掛けるため、リーフレットを作成しました。割増賃金の考え方については、カレンダーを用いて視覚的に分かりやすく解説しています。同労基署の担当者は、「労働者から割増賃金の支払いに関する相談を受ける際に、代休と休日の振替を誤って運用している事業場がみられる。今一度、運用を見直してほしい」と話しています。

 カレンダーでは、法定外休日が土曜、法定休日が日曜、賃金締日が月末、週の起算日が日曜の会社を例に挙げました。日曜に出勤を求めたケースを想定しています。休日の振替の場合、休日労働に対する割増賃金は不要ですが、週の法定労働時間を超えた場合は通常の賃金の2割5分以上の割増賃金が発生するため、注意を促しました。

 休日の振替を行うに当たって必要な措置もまとめています。就業規則に振替休日の規定を置いたうえで、振替休日は4週4日の休日が確保される範囲内に与えるよう求めました。振替休日を特定したうえで、前日までに労働者への通知が必要と注意しています。


カテゴリー:所長コラム


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