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こころの持ち方

2022年01月05日

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成14年12月15日に社会保険労務士登録をして、今年の12月で20年を迎えることになります。社労士試験は、4回受験しての合格で決して出来の良い受験生ではありませんでした。当時の社労士講座の講師を務めていらした社労士の先生から「末正さんなら絶対に大丈夫だから」と何度も励まされての資格取得でした。その先生には、今もお世話になっていますが、当時から勝手に自分の師匠と決めて、いつかこの人に追いつきたいと頑張ってきました。

先日、ぼくには経験のない仕事の案件の依頼があり、師匠に久しぶりにご意見を聞かせてくださいと連絡をとり、お会いしてきました。ぼくは一人前の社労士になったつもりで師匠を訪ねたつもりでしたが、師匠と少し話をしただけで、ぼくは社労士として、師匠の足元にも及ばないことに気付かされました。息子が「簡単には負けないぞ!」と父親に腕相撲を挑んで簡単に捻られるようなものです。その時、師匠というのは大きく、有難い存在だと思いましたし、そんな方に社労士の仕事へと導かれて本当によかったと感謝しました。

今回は、1年の始まりなので、幸運を呼び込むことができる気持ちの持ち方(ぼくが信じている)の話をいくつかご紹介させていただきます。まずは、「こぶで有難い」。『昔、有難屋吉兵衛という男がいた。この男、すこぶる楽天家であり、かつて不平不満を言ったことがなかった。その吉兵衛がある日、急いで外出しようとしたところ鴨井に頭をぶつけ、饅頭のようなこぶをつくった。しかし、痛いとも言わず、両手でこぶをおさえながら「有難い、有難い」と感謝するばかりだった。これを見ていた隣人は怪しんで尋ねた。「吉兵衛さん、あんたはこぶができるほどの怪我をしながら何が有難いのじゃ」吉兵衛さんは答えた。「有難いですよ。頭が割れても仕方がないのに、こぶくらいで済んだんですもの。実に有難いと思います。』痛くて仕方がないにもかかわらず、吉兵衛さんはこぶでよかったと言い、自身に起きた小さな「不運」にいつまでもとらわれないで、その程度のことで済んだと自分の「幸運」を喜んだわけです。「ユダヤ人は足を折っても、片足で良かったと思い、両足を折っても、首でなくて良かったと思う。首を折れば、もう何も心配することはない。」というユダヤ人のジョークがあるそうです。「生きているからこそ心配できるのであって、もしも首を折って死んでしまえば心配することさえできない。だから、首が折れなかったことに感謝しよう。一方で首が折れて死んでしまえば永遠に心配から解放されるわけだから、それもまためでたいことなのである。」「失ったことを気に病むではなく、残ったものに感謝をする。そして、その残ったものを最大限に活かすことを考える。」なかなかこのように気持ちを保つことは難しいことだと思いますが、このような状態に自分の気持ちを保つことが、必ず良い運を招き入れることができる秘訣なのではないでしょうか。

次は、「人間万事塞翁が馬」です。『昔、中国北方の国境近くに住む老人(塞翁)の馬がいなくなった。人々が気の毒がると、老人は「なに今に良いことがあるよ」と平気だった。やがて、その馬は駿馬を連れて戻って来た。人々が「よかった、よかった」と祝うと、「今度はこれが不幸の元になり、何か悪いことが起きるかもしれない」と喜ばなかった。案の定。その馬に乗った老人の息子が落馬して足の骨を折ってっしまった。人々が見舞いに行くと、老人は「これが幸福の元になるだろう」と平気だった。一年後、胡軍が大挙して攻め込んできて戦争となり、健常な若者たちはほとんどが連れていかれて戦死した。しかし、足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだ。』この話は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸也氏が好きな寓話であるとして知られているそうです。山中氏は高校生向けの講演会で、「人生の四八年間、特に後半の二十年間くらいを振り返ってみると、本当にこの『万事塞翁が馬』だなと。本当に大変なこともあるし、うれしいこともある。でも、大変だと思ったことが実はうれしいことの始まりだったり、ものすごくいいと思ったことがとんでもないことの始まりだったり。ということですから一喜一憂せずに淡々と頑張るということを…わかってもらえたらなと思います。」と話されたそうです。よく現在と未来は変えられるけど、過去は変えられないといいますが、実は過去に起こったことを自分がどう考えるかによって意味が変わる、ようするに現在も未来も過去も変えられるということだとこの寓話は教えてくれています。

(参照:「ものの見方が変わる 座右の寓話」戸田智弘著 ディスカバートゥエンティワン)

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

働き方改革関連法(改正労基法)が施行されて2年半余りが経過しましたが、厚生労働省では、猶予措置終了(令和6年3月末)後の取扱いに関する法整備を加速させています。

改正労基法では時間外上限(単月100時間未満、年720時間以内等)を定めましたが、自動車運転・医師の業務、建設の事業等については猶予措置の対象となっています。

このうち、「自動車運転の業務」に関しては、「改善基準」を改正します。労働政策審議会が示した案では、タクシーの場合で、1カ月の拘束時間を288時間、休息期間を1回11時間(週3回まで9時間)等に修正するとしています。

「医業に従事する医師」については、改正医療法により5区分に分けた規制が実施されますが、一般的な医業で年間上限を960時間等と定める省令が公布される予定です。

◆ニュース

連合・2022春闘の方針案決定 目標ターゲットは35歳28.9万円

連合は、中央委員会で2022年の春闘方針を決定しました。芳野友子新会長が主唱する格差是正へ向け、「底上げ・底支え・格差是正」の要求指標パッケージを明らかにしています。

賃上げ要求については7年連続で、定期昇給2%の確保に加え、2%程度のベースアップを求めます。

「底支え」の取組としては、企業内のすべての労働者を対象として、時給1150円以上の企業内最低賃金協定の締結を目指します。基準を昨年より、50円引き上げました。

格差是正に向けた要求指標に関しては、目標水準を35歳28万9000円、30歳25万9000円としました。2021春闘より、それぞれ2000円、3000円アップさせています。

◆送検

複数月平均で上限規制超え 虚偽の残業時間を記載 上田労基署

長野・上田労基署は、複数月平均の時間外・休日労働数が上限を超えた等の理由で、鋼材・鉄筋加工販売業者を長野地検上田支部に書類送検しました。

 働き方改革に伴う改正労基法では、時間外・休日労働の上限を1カ月100時間未満、2~6カ月平均で80時間以下等と定めています(中小は令和2年度から適用)。

しかし、同社の製造部門で働く労働者のうち8人は、半年の時間外・休日労働が毎月100時間を超え、当然のことながら2~6カ月の平均も規制の枠を超えていました。同労基署では、「平均80時間超え」違反に対する送検は、全国でも初めてとしています。

同社は臨検を受けた後、是正報告を出していましたが、二重帳簿の疑いが生じ、再度臨検を実施し、事前情報等に基づき、虚偽記載の事実が発覚しました。


カテゴリー:所長コラム


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