さらなる高みを目指す
2026年01月05日
昨年、セブン&アイHDがカナダの企業に買収を提案され拒否することがありました。セブン&アイHDのコンビニ店の1日あたりの平均売上額は69万2千円でローソン、ファミマを大きく上回ります。しかし、この数年で伸び率が、セブンは5%台、他のコンビニ店が8%台と逆転していて、セブンに対しては他の点でも手厳しい批判が多くなっていて、顧客心理を甘く見ているとの指摘も受けているそうです。たしかに最近のセブンは魅力的な商品が減ったように思います。セブンイレブン創業者の鈴木敏文氏は「顧客心理」を大事にしなさいというのが口癖だったそうです。鈴木会長は社員に対して30年間、「欠品をするな」「掃除しろ」「挨拶しろ」「お客さんに親切にしろ」と同じことを言い続けてきたといいます。セブンでは、月に一度、全国の幹部が東京の麹町にある本社ビルに集まり会議をしていると聞いたことがあります。会議が終わり、その幹部たちが駅に向かって一斉に帰る姿は錚々たる様だったそうです。その会議で鈴木会長は毎回、同じことを話されたそうですが、当たり前のことを言い続けて、それが積み重ねられていくことによって普通が普通でなくなるということが起こるそうです。
九州旅客鉄道相談役の唐池恒二氏は、若い頃に飲食店の経営を勉強するため繁盛する飲食店に通い詰めたところ、繁盛する店と繁盛しない店には決定的な違いがあることに気がついたそうです。唐池氏は「それは『気』です。繁盛店には店全体に強烈なオーラが出ています。隅々まで掃除されていたり、スタッフの表情が自信に満ち溢れていたり。そういう店は料理やサービスも間違いない。これが『気』の正体なのでしょう。」といい、その気を呼び込むための5つの法則を話されています。それは、「夢見る力」「スピードのあるキビキビとした動き」「明るく元気な声」「隙を見せない緊張感」「(成長しようと努力する)貪欲さ」の五つだそうです。
経営コンサルタントの小宮一慶氏は「GoodはGreatの敵である」といいます。「ビジョナリーカンパニー2」からの言葉です。一定の成功をおさめるとそれで満足してしまって「もうこれでいいか」という考えになってしまう。これではダメだという意味です。「Goodであることに満足しているとGreatにはなれない」ある程度の成功をしたとしても、それで安住するのではなく、謙虚になり、なれる最高の自分になることが「自己実現」だと小宮さんはいつも説きます。
ホテルオークラ創設から支配人を務め伝説のホテルマンといわれた橋本保雄氏も「一定のレベルで満足してしまうか、それとも一つひとつに真心を込めて、さらによいものを目指していくか。それが大きな違いになるんです。」と言いました。朝食の目玉焼き1つ作るのにも「どうしたら喜んでもらえるかと精一杯工夫を凝らして出すのとでは、お客様の喜びもまったく違う。そういうふうに、感性を働かせて仕事をしていくこと。私はこれがとても重要だと思いますね。感性を精一杯働かせ、お客様に喜んでいただけることを発想し、それを行動に移す。これがやっぱりプロだと思います。」ちょっとした心遣いが大きな差になるのです。もうひと手間が大切なんですね。
東京工業大学名誉教授の本川達雄氏の著書で「ゾウの時間 ネズミの時間」には、動物は「息を1回吸って吐いての繰り返しの間に心臓は4回打つ。これは哺乳類ならばどの大きさでも当てはまる。そしてどの動物も一生の間に心臓を20億回打つため、呼吸する時間で割れば一生の間に約5億回息を吸って吐くを繰り返すことになる。」と書いています。ゾウは長命、ネズミは短命な動物ですが、人間も含めて哺乳動物の一生は、ほぼ5億回の呼吸で終わると決まっているそうです。ということは、人生の価値というのは、長さで決まるのではないということです。決められた呼吸回数を使い切るまでに、何を成すのかではないでしょうか。ひと呼吸を大切にしたいものです。 (参照:月刊誌「到知」、到知出版社「生き方の教科書」)
特定社会保険労務士 末正哲朗
◆最新・行政の動き
悪質行為への対処方針周知 カスハラ抑止狙う 厚労省指針素案
厚生労働省は労働政策審議会雇用環境・均等分科会で、カスタマーハラスメントについて雇用管理上講ずべき措置に関する指針の素案を示しました。
素案ではカスハラについて、①顧客等の言動、②労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超える、③労働者の就業環境が害される――のすべてを満たすものと定義。顧客等には取引の相手方や駅・空港など施設の利用者およびその家族も含むとしました。
講ずべき措置には、(1)事業主の方針の明確化と周知・啓発、(2)苦情・相談に応じ、適切に対応するための必要な体制整備、(3)事実関係の迅速・正確な確認など事後の迅速かつ適切な対応、(4)カスハラ抑止のための措置――などを盛り込みました。
(4)の抑止のための措置では、労働者に過度な要求を繰り返すなど、とくに悪質なものへの対処方針をあらかじめ定めます。管理監督者を含む労働者に方針を周知し、定めた対処を実行できる体制を整備しなければなりません。具体的な対処の例として、「行為者に対して警告文を発出する」、「法令の制限内で商品の販売・サービスの提供をしない」、「店舗・施設等への出入りを禁止する」などを示しています。
分科会では、求職活動におけるセクシュアルハラスメントの防止措置を含め、新たなハラスメント防止措置義務の施行日を令和8年10月1日とする案も示しました。
◆ニュース
国土交通省東北地方整備局は、クマの出没が頻発している状況を受け、工事現場など屋外の作業現場向けに、クマ対策の事例集を初めて作成しました。
事例集は、同整備局発注の公共工事現場で実施している取組みを中心に、計53事例をまとめています。土木工事は緑が豊かな現場が多く、クマに遭遇するリスクも高い分、受注業者ごとにさまざまな工夫に取り組んでいます。地方公共団体発注の公共工事や民間工事にも横展開するため、写真付きで1冊に集約しました。
たとえば遭遇した際に有効なクマ撃退スプレーについては、ただ携行するだけでなく、訓練を行っている様子を紹介しました。スプレーの噴射距離を体感させ、スムーズに取り出すための方法を教育することで、万が一の場合に確実に使用できるようにしています。
クマを寄せ付けないための工夫も解説しています。クマ鈴やホイッスル、大音量スピーカーなどで人間の存在を知らせている事例を紹介しました。唐辛子粉末を練り込んだ線香を携行したり、クマの天敵であるオオカミの尿を設置したりすることも有効だとしています。 同整備局企画部は、「事例集の作成は、昨年度までは考えられなかった。被害の未然防止への取組みが今後も必要になってくる」と状況を危惧します。事例集の内容は、今後も随時更新していく予定です。
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