暑い夏と就職活動
2024年07月01日
今年も暑い夏がやってきました。8月は猛暑になると気象庁が発表していて「災害級の暑さ」になると予想されています。今年の冬は「エルニーニョ現象」により暖冬となり2月に全国各地で20度を超える日がありましたが引き続き、この夏も「ラニーニャ現象」を受けての猛暑だそうです。昨年は東京で30度以上の真夏日が57日連続で観測されるなど暑さが長期化する傾向にあって、厚生労働省によると、熱中症による死亡者数は毎年千人(21年を除く)を超えているそうです。「昔の日本はこんなに暑くなかった」と思いませんか。日本全国の平均気温の偏りを直して比較すると、1960年代前半から20年間は寒冷化の時代といわれ「地球寒冷化」が話題になっていたそうです。「地球温暖化」はその後になって始まっていて、最高気温の月平均は40年ほどで1.5度上昇したそうです。特に2010年代から一気に気温が上がっているようなので、ここ数年では、1.5度どころではなくかなり気温が上がっているということになりますね。ということで「昔はこんなに暑くなかった」という結論になりそうです。
この暑い夏の始まりとともにリクルートスーツに身を固めた大学生が就職活動のための企業訪問を始めます。2025年春に卒業する学生を対象とした採用選考は6月1日に解禁されましたが、すでに約4割の学生が就活を終えていて、また、ある調査によると、5月1日時点の内定率は前年同期比6.7%増の76.9%にもなり過去最高になっているそうです。企業がルールを無視してまで採用活動を急ぐのは少子化により若手人材が少なく確保できないことが背景にあるということです。リクルートの調査によると、昨年の採用活動では「予定数を充足できた」企業は36.1%しかなく、調査開始以来、過去最低となりました。今の学生は、福利厚生制度が充実し、賃上げや働き方改革を進める大手に人気が集中しており、人気企業ランキングでも「安定」の評価が高い企業が上位になっています。この就活の早期化と学生の大手志向であおりを食っているのが中小企業です。25年卒の求人倍率は、500人以上の大企業が0.34倍、一方で300人未満の中小企業は6.5倍と大きな差がついています。苦労している中小企業が多い中で、人材確保ができている中小企業は、働きやすい職場作りのために賃金改善よりも残業削減や有給休暇取得促進などの労働条件の改善に取り組んでいる傾向にあるそうです。中小企業に勤める従業員にとっては安心して働けることや 「人らしくいられる職場」であることが長く働く上での大切なポイントになっているようです。
先日、ある企業に訪問したときの話です。その会社では、あることをきっかけにして、従業員の採用がうまく出来るようになり、人員に余裕が出始めて、仕事がうまくまわるようになったそうです。すると、以前は仕事の忙しさのあまり職場でイライラして周囲にキツく当たっていた従業員が周囲の人に優しく接するようになってくれましたとお相手の担当者の方はうれしそうにお話しされていました。「忙」(いそがしい)という字は、「心を亡くす」と書きます。忙しかったり、疲れたりするとどうしてもイライラしがちになりますが、普段から心に余裕を持つようにしたいものです。
「故 渡部昇一氏は学生によくこういう質問をしたそうである。『ゾウから鼻を取ったらゾウでなくなる。キリンから首を取ったらキリンでなくなる。では、人間から何を取ったら人間でなくなるか』ウィットに富んだ質問である。あなたはなんと答えるだろうか。本誌は、それは『心』である、と思う。」という文集の一節を思い出しました。(㈱到知出版社「心に残る到知の言葉⑮」より)
特定社会保険労務士 末正哲朗
◆ニュース
改正育介法が通常国会で可決成立し、公布されました。令和7年4月から順次施行します。
改正法では、子の年齢に応じた支援策として、子が3歳未満の労働者のテレワークを事業主の努力義務としたほか、所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲を、現行の子が3歳未満から、小学校就学前までに拡大します。
3歳~小学校就学前の時期についてはさらに、①始業時刻などの変更、②テレワーク、③短時間勤務、④新たな休暇の付与――などの措置のなかから、2つ以上を事業主が選択して講じるよう義務付けます。措置を講じるときにはあらかじめ、過半数労組から、過半数労組がない場合には過半数代表者から意見を聴取しなければなりません。対象となる労働者に措置の内容を通知し、面談などを通じて利用するかどうかの意向を確認することも義務付けます。
現行法において小学校就学前までの子を対象としている看護休暇は、子の行事などの目的でも利用できるようにするとともに、請求できる期間を小学校3年修了前までに伸ばします。取得事由の拡大に伴い、名称は「子の看護等休暇」に改めます。
男性の育児休業の取得を促進するため、男性育休取得率の公表義務の対象となる事業主の範囲も拡大します。現行の「常時雇用労働者数1000人超」から「300人超」に広げます。
仕事と介護の両立支援関係では、家族の介護に直面した旨を労働者が申し出た際に、支援制度を個別に周知し、利用意向を確認することを事業主に求めます。労働者が40歳に達した時などにおける早期の情報提供の実施や、研修実施など介護休業の申出を行いやすくするための雇用環境の整備も義務化します。
そのほか、介護に直面した際にテレワークが行えるようにすることを努力義務とします。介護休暇について、労使協定によって勤続6カ月未満の労働者を除外する仕組みは廃止します。
奨学金・企業調査 返済支援制度 4割が活用意向 帯広商工会議所
77社を「5人以下」「6~20人」「21~50人」「51人以上」の事業規模別にみると、いずれも25%(約20社)程度を示しました。同商議所の担当者は、「小規模でも制度のニーズがあることが明らかになった」と話しています。
180社のうち、自社独自の返済支援制度が「ある」企業は7%(13社)でした。「自社単独では困難」は、67%(121社)となっています。
土日休み固定の運転士募集 岐阜バス
同社の勤務形態は5勤2休×3回と4勤2休を基本とするシフト制で、年間休日は107日となっています。「休日出勤をして稼ぎたい」という需要もあり、多くの運転士が週6日稼働してきました。
同社人事部によると、近年は新卒・中途を問わず、賃金より休日の多さ、取りやすさを重視する応募者が増加傾向にあります。「このままでは人が集まらない」と考え、5月16日から募集を開始しました。路線バスは平日の運行が多いため、土日休みを基本としました。休日の曜日固定、「休日出勤なし」での勤務については、既存の社員からの希望にも対応します。
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