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早起きの実践

2024年01月05日

 2024年1月から新しいNISA制度が始まります。通常、株や投資信託の売買で生じた利益には、20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で買った場合、将来どれだけ儲かっても税金がかからないという制度です。最近、モノの値段が上がっています。食品や日用品は言うに及ばず、電気代から通信費、ガソリン代などさまざまな「値上げラッシュ」を日々実感しているところです。原因として、コロナ禍で停滞した経済活動の反動や人手不足が深刻化しているとか、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格が上昇しているとか理由はさまざま挙げられています。では、それらの原因が解決したら物価は下がるのかということですが、もう物価は以前の水準には戻らず、さらに上昇し続けると言われます。なぜかというと世界経済はすでに完全なインフレ基調だからだそうです。日銀が1999年に「ゼロ金利政策」を導入して以降、ほぼ一貫して金融緩和政策がとられました。つまり日本はもう30年以上もの間、インフレではない状態が続いてきたわけで、インフレを知っている人はほとんどいません。以前、老後2000万円問題が話題になったこともあって「貯蓄から投資へ」の風潮が強まったことがありましたが、いまだに日本の金融資産約2053兆円のうちの50%超を「現金・預金」が占めています。インフレに強い資産とされる株式や投資信託などは15.4%しかありません。現預金を貯めこんでいる人は、インフレでどんどん貧しくなっていると言われます。というのもインフレではモノの価値が上がる一方でお金の価値が下がるからです。例えば、仮にこの先、年2%のペースで物価上昇が続くとした場合、金庫に2000万円を保管したまま20年後に使うとすると、お金の実質的な価値は約67%にまで減ってしまいます。20年後に現金2000万円はそのままですが、現在の金額に割り戻すと約1346万円となって、約654万円も目減りしてしまうことになります。そもそも、日本の金融政策がおかしいともいえるわけです。昨年暮れに日銀は金融政策会合を開きました。植田総裁が日銀の金融政策について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っている」と発言していたことから注目されていましたが、日銀は金融緩和策の現状維持を決めました。マイナス金利政策の解除の見極め段階に入ったといわれていますが、次は今年の1月後半の決定会合で判断されるとのことです。金利の上げは経済への影響も大きく慎重にあるべきだと思いますが、早く正常化してもらいたいと思います。

社会教育家の田中真澄氏が、「八起会」の創設者である野口誠一氏について「到知」2023年10月号で話されていました。野口氏は自身の放漫経営で会社を倒産させてしまい塗炭の苦しみを味わった経験について講演などを通して、伝え続けた方だそうです。八起会には、会社を潰さないための五つの指針「八起五則」(早起き、笑顔、素直、感謝、いい出会い)というものがあり、どれもが会社経営をうまくいかせる大切な心得と言われているということですが、その中でも「早起き」が最も重要な習慣であり、松下幸之助氏や稲盛和夫氏の会社はどこも早起きを奨励していたことや「毎朝七時半までに出勤する社長の会社は倒産しない」として、経営者も社員も共に早起きをして、勤勉な生き方を志向することの大切さを訴えているそうです。田中氏は、「最近はグローバリズムの影響からか、勤勉な生き方や早起きを否定する言論もマスコミで散見しますが、こんな意見に惑わされないことです。日本人は昔から勤勉性を重視し、朝早くから真面目に、誠実に働くことを善しとしてきました。この習慣はどんなに時代が変わっても、未来永劫、変わることのない正しいものなのです。」といいます。また、田中氏の受け持つ大学の講座の中で、「卒業して就職したら、最初の一年間だけでもいいから毎朝、職場へ一番に出社し、整理整頓に努め、早め早めに仕事の準備をして能率を上げること。これを心掛ければ、その後の人生でどれだけ得をするか計り知れないものがあるということです。」と伝え続けたそうです。実際にこの話を実践した卒業生が何人もいたそうですが、その採用先の企業からはその働きぶりに感心したと大学側に連絡がたくさんあったそうです。ぼくもいつの間にか早起きが習慣になっていますが、毎朝、家から外へでたときのまだ世の中が動き出していない空気感が大好きです。それに朝早くからの仕事はずいぶんとはかどりますよ。

人生をうまく生きることや会社経営を成功させることに必要なことはワンパターンで決まっていると言う人がいます。そのことに早く気づいて実践することが必要だそうです。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

応援手当支給へ助成 育休取得時で最大125万円 厚労省

厚生労働省は、育児休業取得者の業務を代替する労働者に“応援手当”を支給する中小企業への助成を拡充しました。両立支援等助成金に新コースを追加する雇用保険法施行規則の改正省令を公布しています。施行は2024年1月1日で、育休中に業務を代替する労働者に手当を支給した場合、育休取得者1人につき最大125万円を支給します。

追加するのは「育休中等業務代替支援コース」です。同コースでは、育休や育児短時間勤務中の業務体制整備のため、業務を代替する労働者への応援手当(業務代替手当)の支給や、代替要員の新規雇用(派遣含む)を実施した中小企業を支援します。

育休中の手当支給に対しては、制度利用者1人当たり、業務体制整備の経費(原則5万円)のほか、手当額の4分の3(最大120万円)を助成します。手当への助成では、1カ月当たり上限10万円で最長12カ月支援します。

時短勤務中に手当を支払う場合は、業務体制整備経費が定額2万円、手当への助成が最大108万円(上限月3万円、子が3歳になるまで)。育休取得者や時短勤務利用者が有期雇用の場合、10万円を加算します。

◆ニュース

新制度「育成就労」創設へ 技能実習を廃止し 有識者会議・最終報告

 外国人技能実習制度と特定技能制度の見直しの検討を進めていた政府の有識者会議は11月30日、最終報告書をまとめ、小泉龍司法務大臣に提出しました。

技能実習について最終報告書は、労働力の需給調整の手段として利用してはならないという基本理念を掲げている一方、実際には実習生が国内企業の貴重な労働力として受け止められてきたと指摘。技能実習制度を廃止し、人材確保と育成を目的とする新たな制度「育成就労」を創設するよう提言しています。

新制度での受入れ分野は特定技能の分野に合わせ、3年間の就労を通じて特定技能1号の水準の人材を育成します。

技能実習では原則的に認めていなかった他社への転職については、同一企業で1年を超えて就労するなどの要件を満たした場合に認めます。転職の期間要件に関しては、必要な経過措置を検討するよう政府に求めました。

「推薦なし」理由に昇格差別 役職との差額支払い命令 都労委

東京都労働委員会は、都内の運輸業者が所属長の推薦がないことを理由に組合員2人を未だに昇格させていないのは、組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たると認定しました。平成30年11月末付けで2人を指導員以上の職位に昇格したものとして取り扱い、現在までの賃金額と指導員以上の職位ならば支払われるべき賃金額との差額を支払うよう命じました。

合同労組に加入している組合員2人はトレーラーの運転者で、入社以来20年以上にわたって役職者に昇格することなく、最低位の職位のままでした。会社は組合との団体交渉で、昇格は所属長などからの推薦に基づいて実施しているため、推薦がないと昇格できないと回答していました。

都労委は、昇格に関する手続きを明確に定めた社内規程はなかったと認定しました。全運転者198人のうち、役職者は59人と約3割を占めていますが、推薦によって昇格したのは7人だけでした。一方で、組合員らの所属部署では、勤続18年以上の従業員のなかで、役職者になっていないのは両名のみとなっています。

組合員らに勤務成績が低いなどの役職者に不適任な事実はなく、非組合員との間に不自然な差異が生じていると疑わざるを得ないとしています。推薦という形式的な部分にかこつけて、昇格を回避していたと判断しました。


カテゴリー:所長コラム


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