人事・労務のエキスパート、石川県金沢市の末正社会保険労務士事務所。人事・労務管理相談、社会保険労働保険手続き、紛争解決、組織活性、給与計算、人材適正検査まで、フルサポートします。

seminar

seminar

contact

ブログ

「働き方改革関連法」

2018年08月10日

セミナーに参加するため東京へ。夜の新橋で一人飲みするため、ぶらぶらと適当なお店を探して歩いていたところ、愛媛の郷土料理のお店になんとなく入りました。カウンターに座り、板前さんの仕事ぶりを眺めながら鯛のお刺身でお酒をいただきました。当日は大きな宴会が入っていたらしく、愛媛の郷土料理が次々と宴席に運ばれていて、〆の料理には、鯛めしのおむすびが。あまりに美味しそうだったので、女将さんに「少しちょうだい」と甘えてみたところ「ダメ」。ならばと、鯛茶づけを注文すると今日はないと言われ、残念がるぼくに、「明日のランチに来ませんか」とお誘いが。お話を聞いてみると、これまで20年以上、お昼の営業を続けてきたけれど、人手不足で、私たちも疲れたからもうやめるので明日のランチが最終日だということでした。翌日はセミナーの合間に、そのお店に訪れましたが、ランチでいただいた鯛めしは絶品でした。どうも新橋でも有名なお店だったらしく、その日は常連さんらしき人たちであふれていました。偶然ではありましたが、良い時間となりました。

いつもお世話になっている税理士の先生のお話ですが、今年に入ってM&Aの取り扱い件数が、ものすごく伸びているとお話しされていました。その多くは事業の跡継ぎがいないため会社を売却するという案件だそうです。これからは、ますますいろいろな場面で人手不足を実感することになりそうですが、これからのビジネスのポイントになるのではないかとも考えています。

働き方改革関連法が、やっと成立しました。「働く方がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する」という趣旨の法案で、働き方改革実行計画(2017年3月28日)と労働基準法改正(2015年4月国会提出)の2つで構成されているものです。これまでの日本では、正社員は会社からの雇用保障によって一生同じ会社に勤めることができるということがある反面、長時間労働などの過重労働によって家庭生活がないがしろにされるといったマイナス面が対になっていました。そのマイナス面の解消が、働き方改革です。

労働基準法改正は、ずいぶんと長い間ほったらかされていたのでどうなったのか確認が必要ですね。まずは、「罰則付き時間外労働の上限規制」(2019年4月1日施行、中小事業主は2020年4月1日)です。時間外労働が制限され、原則「月45時間、年360時間以下」となり、特別条項により、年720時間以内において月45時間を年6回まで上回ることができ、休日労働を含んだ上限として①2~6か月平均で80時間以下②単月で100時間未満とすることも必要です。従来は告示であり法的な拘束力はありませんでしたが、今後は法律で定められた上限時間を超えた場合には、罰則が付くことになります。

次に、「同一労働同一賃金」です。政府が進める「同一労働同一賃金」の議論の中身は、非正規労働者の待遇改善に向けた法規制の強化となります。

あとは、高度プロフェッショナル、3か月単位のフレックスタイム制と続きますが、これらは中小企業の経営にはあまり影響はなさそうです。対策が必要なのは、「年次有給休暇の年5日」取得です。年次有給休暇の付与日数が10日以上である労働者を対象として、企業に年5日の時季を指定した有給休暇の付与が義務化されます。2019年4月1日施行となっているので、早速の対応が求められており、今から来年のカレンダーをどうするのか検討しなければなりません。また、月60時間を超える時間外労働の割増率が中小企業でも5割になります。

働き方改革には、生産性の向上がくっついています。これからは、2日働いて1日休むという計算になりますが、そうなると経営者は、社員を休ませる工夫が必要になりますし、休みが増える一方で社員は会社に出てきたらこれまで以上に一生懸命に働くということが求められるようになるということです。いいような、悪いような…のんびり働くサラリーマンなんて認められない世の中になりそうです。

特定社会保険労務士 末正哲朗

 

◆今月の実務チェックポイント

 

社会保険の算定基礎届の提出

 

算定基礎届提出の時期になりました。健康保険・厚生年金保険の被保険者および70歳以上被用者の賃金について、7月1日現在使用している全ての被保険者および70歳以上被用者の方が対象です。

 

ただし、以下1~3のいずれかに該当する方は対象外です。

 

1.6月1日以降に資格取得した方

(資格取得時決定により、翌年8月までの標準報酬月額が決定されているため)

 

2.6月30日以前に退職した方

(7月1日現在在籍していないため)

 

3.7月改定で月額変更届を提出する方

(7月~9月に月額変更届を提出する場合は月額変更届が優先されるため)

 

※算定基礎届提出後に8月および9月に月額変更が生じた場合には、月額変更届が優先されるため、別途「月額変更届」の提出が必要となります。

 

  • 9月改定
 

9月分の社会保険料から改定されます。

 

実際に控除するのはいつから?

 

決定された新しい標準報酬月額による9月分の保険料は、「翌月控除」の場合は10月の支払給与から、「当月控除」の場合は9月の支払給与から、控除します。(9月分の保険料を何月の支払給与から控除するかで変わります。)

 

ご相談は、末正社会保険労務士事務所(076-213-6771)までご連絡ください。

 

 

定年再雇用後の賃下げ容認 最高裁が労契法20条で初判断

 

最高裁は、「期間雇用であることを理由とする差別」(労契法20条)に関して、2つの注目すべき判決を下しました。「個々の賃金項目の相違の不合理性を判断する際、その趣旨を個別にみる必要がある」という枠組みが示されています。

 

長澤運輸事件は、運転者が定年後再雇用により有期の嘱託社員となり、年収が20~24%低下したのを不服として提訴したものです。

 

1審は労働者側勝訴、2審は会社側勝訴でしたが、最高裁は再雇用による賃金ダウンを容認(精勤手当等除く)する立場を採りました。有期・無期間の労働条件の相違の不合理性を判断するポイントは、「職務の内容」「人材活用の仕組み」に限定されず、定年後再雇用は「その他の事情」として考慮すべきとしています。

 

ハマキョウレックス事件は、有期・無期間の手当の差異が論点ですが、最高裁は2審が認めた手当に加え、皆勤手当の不支給も不合理と認めました。

 


カテゴリー:所長コラム


  • access
  • cubic
  • blog

pagetop