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「無意識の訓練」

2017年08月08日

やっと携帯電話を、スマホに替えました。ずっとガラケーを使っていて別に不都合も不便もなく、SNSも敬遠してきたぼくにとっては、そのままでもぜんぜんよかったのですが、最近、携帯電話を人前で出すと、「うわ~ガラケー使ってるなんてヤバいわ」とか「信じらんない、それまずいよ」とか、人格を疑われかねないような事態をまねくことが何度かあったので、ついにスマホに替えることにしました。

社会の変化を感じることは必要ですよね。東京オリンピックにあたり多くの外国人を迎え入れる準備がこれから急速に進みます。先日、経済産業省の「Fin Techビジョン」についての話を聞く機会があったのですが、これから「お金」のかたちや流れが大きく変化するそうです。世界はキャッシュレスが当たり前だそうですね。日本もどんどんキャッシュレスが進み、それこそスマホでの決済とか電子マネーが使われるようになって、紙幣のお札なんて無くなるそうです。やっぱり、スマホを持っていないとこれからは、生活しづらそうです。

先日、聖心女子大のシスターである鈴木秀子先生の講話会を聴いてきました。興味深い話だったのでご紹介します。線路内に進入したお年寄りを助け出そうとした人が、電車にはねられるという事故が起こることがありますよね。ぼくは、以前から不思議だなぁと思っていました。なぜ人は電車にはねられる可能性が高いと分かっているのにそういった行動をとってしまうのか。なぜ明らかに電車が近くまで迫っている状況に飛び込んでいけるのか。鈴木先生の話で、その理由がわかりました。

1983年、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学部神経生理学のリベット教授が発表したものがあります。人間が指を動かそうとするとき、脳にある「動かそう」とする意図する働き(意識)と筋肉を動かせと脳が指令随意運動野(無意識)の働き、そして実際に指が動くタイミングを計測する実験をしたそうです。その結果、筋肉を動かすための運動神経の指令(無意識)が、人間が「動かそう」とする意図する脳の活動(意識)よりも0.35秒も先だということがわかったそうです。普通に考えると、人間が「動かそう」と意識し、それにしたがって「動かせ」という運動の指令(無意識)が出て指が動くはずじゃないですか。ところが実際は、まったく逆だったということです。この実験は、その後もいろいろな研究者によって行われているそうですが、ほぼ同じ結果になっているそうです。ようするに、わたしたちの行動を本当に決めているのは、脳の無意識であって、意識はその決定を約0.35秒後に受け取って「自分が決めた」と勘違いしているということになるわけです。だから、頭では電車にひかれると分かっていても、人を助けるために飛び込んでしまうのは、その人の無意識がそうさせているのだということだったんですね。誰でも思わず…という経験があるのではないでしょうか。この仮説では、わたしたちは自分の意志で「指をピースサインの形にしよう」と決め、その結果「ピースサインを出した」と思っていますが、本当は無意識が先に決めているということになります。(前野隆司「無意識の整え方」より)

人は皆、この無意識に支配されていることになるわけですが、この無意識を訓練する(頭を使って自分を大切にする感覚を養う)ことが必要です。無意識を育てるには、「自分のマイナスになることは言わない」「マイナスになる言葉を発しない」「プラスの言葉を素直に受け取る」ことが必要だそうです。たとえば、子供に「そんなことしているとロクな大人にならないよ!」と言って育てると、その子供はロクな大人にならないし、「注意しないと交通事故にあうよ!」と注意すると交通事故にあってしまうことになる。ようするに、子供の無意識に刷り込んでしまってるということだそうです。

職場でも同じだなぁ…と。社長が「うちの社員は、バカばっかりだ!」なんて社員の悪口しか言わない会社では、人材は育たないですもんね。

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム


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