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産後パパ育休がはじまります

2022年10月07日

先日、テレビを見ているとあるお父さんが笑顔で「今日は家族サービスで久しぶりのお出かけです。」とインタビューを受けていました。なんとなく違和感があったので、ネットで調べてみると…

「家族サービスという言葉を使う人は、普段家族に何もしていないですよね?家族に対して、何かすることが特別なことだと思っているからこそ、そういう言葉を選んで、使っているのでは?」「『休日は家族にサービスする』ふむふむ、何様のつもりでしょうか(笑)」など、『家族サービス』という言葉に嫌悪感を持つ人がたくさんいました。言葉の受け取り方って今の社会を反映しますからね。気を付けたいものです。

令和3年6月に公布された改正育児介護休業法が、今年の4月1日の一部施行に続いて、10月1日にも施行されます。今回の改正法の施行により育児休業制度が大幅に変更となります。

まずは、令和4年4月1日に施行された「個別周知・意向確認措置の義務付け」です。利用できる育児休業等の制度を知らない、理解が出来ていないという理由で、育児休業等の申出をしないことを防ぐための措置です。労働者本人又は配偶者の妊娠、出産についてその労働者から申出があったときは、その労働者に対して育児休業の制度等について知らせる(個別周知)とともに、育児休業等の取得の意向を確認するための面談等の措置(意向確認)を講じることが義務付けられました。個別周知と意向確認は、社内で周知をするだけではなく、「個別に」実施することが必要です。次に、雇用環境整備措置が義務となっています。育児休業を取得しやすい職場環境を整備し、育児休業の申出が円滑に行われるようにするため、育児休業についての研修の実施、育児休業に関する相談体制の整備、雇用する労働者の育児休業の取得に関する事例の収集及び当該事例の提供、雇用する労働者に対する育児休業に関する制度及び育児休業の取得の促進に関する方針の周知の4つの措置のうちいずれか1つ以上を実施しなければなりません。この措置については、対象となる従業員が社内にいるいないにかかわらず、実施する必要があります。育児期の従業員でなかったとしても、養子をもらうケースがあるからのようです。

最後に10月1日から施行される「産後パパ育休(出生時育児休業)」です。新たに子の出生直後の男性の育児休業取得を促進することを目的とした、出生時育児休業の制度が創設されました。産後パパ育休は、子の出生後8週間の期間内に4週間以内の休業を取得できる制度です。赤ちゃんが生まれてお母さんが産後休業をとっている間にお父さんも休業を取得するということになります。また、この産後パパ育休中においては、労使合意の上で、働くことも可能です。そもそも育児休業中は、これまで一時的・臨時的に働くことしか認められていませんでしたが、産後パパ育休についてはその休業期間中の所定労働日数又は所定労働時間の半分以下の範囲内で就労することが可能となっています。しかし、働き方によっては、休業期間中に受けられる育児休業の給付金が大幅に減額されるケースも生じることになりそうです。厚労省のQ&Aでは、就労を認める対象となる労働者を、1日勤務できる者や特定の職種に限定することも可能としました。

あと、実務で注意する点として社会保険料の免除についての仕組の変更があります。施行日は本年10月1日となっています。育児休業を取得している期間は、社会保険料が事業主・被保険者とも免除されます。その期間は「育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月まで」とされています。そうなると、月の末日に育児休業を取得していればその月の保険料が免除されるため、月の末日の1日だけ休業したとしてもその月の給与・賞与の社会保険料が免除されることになります。しかし、月のほとんどが育児休業だったとしても月の末日を含んでいなければ社会保険料が免除されず不公平が生じていました。10月1日後は、給与の保険料は月の途中で14日以上(同一月内に限る)休業する場合も保険料が免除されることになり、賞与についても休業期間が1か月を超える場合に限り免除されるようになりました。改正前においては保険料の免除を狙ったと思われるような育児休業の取得が見られることもありましたので、納得の法改正だといえるのではないでしょうか。(参照:2022.10ビジネスガイド「特集2」より)

特定社会保険労務士 末正哲朗

実務に役立つQ&A

残業代を含めるか 社会保険適用拡大の8.8万円

Q 令和4年10月以降の社会保険の適用拡大について、週20時間以上働くパートですが、残業代は8.8万円に含まないとの理解で正しいですか。

A 被保険者となることができない者が、健保法3条等に列挙されています。同条9号ハに報酬に関する要件があります。すなわち、厚生労働省令で定めるところにより、法42条1項の規定の例により算定した額が、8.8万円未満としています。ここでいう報酬から、最低賃金法(略)4条3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除きます。省令は健保則23条の4を指し、ここに「所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金」があります。

一方で、適用除外に該当せず被保険者資格を取得するときについてですが、「適用拡大の実施に伴い、新たに被保険者資格を取得する短時間労働者の(略)報酬月額の算出方法は、従来からの被保険者資格取得時の報酬月額の算出方法と同一」(令4・3・18事務連絡)としています。資格取得時の標準報酬月額を決定する際においては、当初見込まれる残業代を記載することになると解されています。

最新・行政の動き

厚労省は令和5年度、産業雇用安定助成金に新コースとして「スキルアップ支援コース」(仮称)を追加する方針です。

新コースでは、新型コロナウイルスの影響による事業活動の縮小がなくても、労働者の能力向上を図る目的で在籍型出向を行う場合に、出向元事業主に対して助成金を支給します。

在籍型出向は、自社にはない実践の場での経験から新たなスキルを習得することが期待できるため、賃金の一部を助成することで在籍型出向を推進し、企業活動の活性化を促すのが狙いです。助成金の活用場面として、DXをめざす企業がIT企業への出向を通じて従業員にデジタル技術を習得させるケースのほか、自動車関連工場への出向により、モノづくりにおける品質管理と工程管理に関する手法・考え方を習得させるケースなどが想定されます。

助成対象は、出向元事業主が負担した出向労働者の賃金で、助成率は中小企業が3分の2、大企業が2分の1。最長1年間にわたり、最大5人分まで支給します。1人1日当たり8355円を上限とする考えです。

新米社労士 越田のつぶやき

経営の神様の異名を持つ松下幸之助さんの言葉に[成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功する

までやり続けないことだ]というシンプルなものがあります。私自身この言葉に助けられた経験があります。

私は、社労士試験で2度不合格となり、3度目で合格しました。2度目の受験時は合格点に2点足りずに不合格

となり、正直社労士になるのを諦めようかと思っていましたが、この言葉を胸にもう1年頑張ることにし、無事

合格することが出来ました。松下幸之助さんの言葉は、何か人を熱くさせるものばかりですね。


カテゴリー:所長コラム


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