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運を良くする

2021年08月02日

新型コロナウィルスの影響で1年延期された東京オリンピックが開催されました。東京では緊急事態宣言が発出されていて、ほとんどの会場が無観客で競技が行われることになり極めて異例な状況で行われる大会となっていますが、選手たちはそんなことなど全く関係ないように競技に打ち込んでいるように見えます。本当に一流選手の精神力のすごさには驚かされます。

また、最近では大リーグの大谷翔平選手がMBLオールスターゲームで歴史に残る二刀流での活躍にも驚かされました。そんな大谷選手の高校時代に書いた目標達成シートが話題になりました。高校生の大谷選手が、最終的に達成したい目標にドラフト1位指名を8球団から受け、日本のプロ野球に進むこととして、またその目標を達成するためにさらに8つの項目を挙げているのですが、注目したいのはその中に「人間性」と「運」を選んでいることです。体力、技術、精神面での強さは誰でも考えますが、やはり超一流になる人は違うのでしょうね。「運」を手に入れるために大谷選手は、「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「あいさつ」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「プラス思考」「道具を大事に使う」を実行するとしました。「運」の良さは誰もが欲しいと思うものですが、その人の意思や努力ではどうしようもないことだと一般的には考えられていることですね。大谷選手は、自分自身の日頃の行動や態度、ようするに考え方で「運」を引き寄せることが出来ると考えて、そのことを自身が身をもって示してくれているのはスゴイことだと思います。

長年、松下幸之助の薫陶を受けてこられた青年塾の代表である上甲晃氏は月刊誌致知に書いています。「運の良し悪しがどうしたら見極められるのか、私は長年疑問を抱いてきました。ある時、プロ野球の日本ハムファイターズの白井一幸元コーチと玄米酵素の鹿内正孝社長との会話の中に、その答えを得ました。鹿内社長から「運の強い人を先発メンバーに使うそうですが、どうしたら運が強いかが分かるのですか」と質問を受けた白井コーチは、「どんな平凡なゴロを打っても、全力で一塁まで走る人は運が強い」と答えていたのです。どんな平凡なことでも手抜きをしない。これこそが人生の真理だ!とハッとさせられました。」

iPS細胞の山中伸弥教授と稲盛和夫氏の対談でのことです。山中教授が「百メートル走では死に物狂いで全力疾走しますが、それをマラソンであると必ず途中で力尽きてしまう。ですから、いいタイムで完走するためにはペース配分をきちんと考えて、途中で水分や栄養も補給しながら、ペースを乱さずに走り切ることが大切です。実際、体力も走力も高かった二十代の時よりも、いまのほうがマラソンのタイムは速いんです。研究開発もそれと同じで、特に医学の分野では二十年、三十年という長い歳月を要します。途中で息切れしないように、ペース配分を考えて毎日頑張っています。」と話されました。稲盛さんは、「僕は違う。いつも全力疾走だ」「会社経営はマラソンと同じで、全速力で走っては長く続かないと皆さん言いますが、それでは本当の競争にはなりません。会社経営の経験のない素人がちんたら走っていたら、自分では走っているつもりかもしれないけど、全然勝負にならないでしょう。だから僕は、走り切れなくてもいい、最初の数キロだけでも一流選手に伍していこうという思いで、常に全力疾走してきました。周りはいつまで続くかと見ていたのでしょうが、走っているうちにそれが自分の習い性となり、今日まで続いている。最初から全力で走ろうと決めて、必死になって先頭集団に追いつこうと意気込んで走り続けてきたからこそ、実を結んだと思っています。」と話されました。山中教授は「まだまだアマチュアなのだ、勘違いしてはいけない」と思い知らされたというのですが、それもスゴイですね。最近は、こういった話に「昭和だね」という反応を返えす人もいます。ぼくもとてもではないですが、マネすることすら無理だと思っています。ただ、今の社会を良くするために、こういう生き方を貫いている人たちがいるのだということはわかっておくべきなんでしょうね。やはり、自分のためではなく、誰か他人のため社会のために必死の努力を続けられる人は結果をしっかり残すことができるのでしょう。それは、企業経営においても、スポーツにおいても同じことなんだと思います。(月刊誌致知2021.4「特集稲盛和夫に学ぶ人間学」より)

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆最新・行政の動き

厚労省は、過労死等の労災請求事案の労働時間認定に関する質疑応答・事例集を作成し、都道府県労働局労災保険課長に通知しました。過労死等の労災請求事案が増加傾向を示す中、適切な労働時間認定と迅速な労災認定を推進するのが目的です。

事例集では、14個の質疑応答と7つの参考事例を収録しています。質疑応答では、具体的な考え方と併せて、参考となる判例・労働保険審査会裁決も示しました。

持帰り残業や出張先ホテル等での作業に関しては、使用者が作業を義務付けているか否かを評価し、指揮命令下にあったかどうかは関係者への聴取等も踏まえて判断します。

◆ニュース

ワクチン職域接種で手引き 本人の意思確認を

新型コロナウイルスの予防に向け、職域接種がスタートしています(現在は、新規受付一時休止)。厚労省は円滑な推進のため、「職域接種向け手引き」(現在は第2版)を公開しました。

実施に際しては、市町村と委託契約を結んだ医療機関が企業・職域単位でワクチン接種を行います。形態としては、①企業内診療所が実施、➁外部医療機関が企業に出張、③非接種者が外部医療機関に出向く、の3とおりがあります。

 同一会場で2回の接種を済ませることを基本とし、実施企業は、医療機関の確保、申請入力・連絡調整、会場の手配、自治体等との連絡を担う事務局体制を確保することが条件となります。

手引では、正規・非正規等の雇用形態により一律に対象者を区別することは望ましくなく、「接種を受けるかどうかは自ら決定する」という考え方に基づき、強制は避けるように留意を求めました。

5割超の退職金減額は無効 「接待漬け」で諭旨解雇

クラブ接待を繰り返し受けた等として諭旨解雇された元従業員が、退職金の減額は無効と訴えた事件で、東京地方裁判所は「5割を超える減額は無効」と判示しました。

元従業員は、不動産サブリース専門会社の支店勤務で、管理建物の修繕工事等の発注に関する業務上の権限を有していました。

その権限を行使して、業務の受注先を元部下が経営する会社に変更した後、繰り返し高額なクラブで接待を受けました。さらに、元部下に対して、クラブで働く外国人ホステスの在職証明書偽造も頼んでいました。

内部調査で不正が発覚し、会社は諭旨退職処分としましたが、退職金規定に基づき、退職金は全額が不支給となりました。

裁判所は、元従業員の「元部下からの接待は、個人的関係によるもの」という主張は退けましたが、退職金の減額のうち5割を超える部分は無効という判断を示しました。

接待金額が非常に高額とはいえず、偽造証明書も実際に使用されなかった点を踏まえ、「過去の勤続の功をすべて抹消するまでの背信行為といえない」と述べています。


カテゴリー:所長コラム


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