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「集合知性」

2018年03月26日

皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

また新しい年が始まりますね。今年は少しでも多くのかたのお役に立てるように、そして仕事を通じた地域貢献が出来るようしっかりと身を引き締めて参りたいと思います。

先日、国際コミュニケーション・トレーニング株式会社の岩崎イチロー氏と岩崎クレア氏のお話しを聞く機会をいただきました。岩崎氏は脳科学者で医学博士でもあります。岩崎氏によると、人間の総合脳力は、認知脳力(学力や知識、技術などの能力)と非認知脳力(考え方や熱意など、いわゆる人間力)からなっているということです。

米国のシカゴ大学のヘックマン博士(2000年にノーベル経済学賞を受賞)の研究によると人の役に立ち、幸せで豊かな人生を歩むには、認知脳力よりも、非認知脳力が大切であることがわかってきたそうです。

岩崎氏は、人間の総合脳力というのは、稲盛和夫氏のいう人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力と同じ考え方が成り立つと言います。認知能力は、「能力」を指しIQ、学力、記憶力をいいます。また、非認知脳力は、「熱意」と「考え方」を指していて、「熱意」は意志力、闘魂(諦めない力)、情熱をいい、「考え方」は感謝心、謙虚、素直、信頼、勤勉、利他心などをいうそうです。

最初は認知脳力「能力」が低くても、ようするに学校の成績が悪かったりしても、非認知脳力「熱意」「考え方」を鍛えることで、認知脳力も次第に高まるということがわかっているそうです。頭が良いという人よりも、情熱があり、人に感謝でき、謙虚で、素直で、他人のために尽くす気持ちのある人のほうが成功しやすいということだそうです。IQや学力が高いというだけの人は成功しないとも話されていました。

次に、興味深いのは、「集合知性」という話です。これは、個人ではなく組織の話です。たとえば、どのような集団が、一番、力を発揮するのかという実験を行った場合に、どういう結果になるでしょうか。能力が低い集団、能力が低い中に天才が一人いる集団、普通の能力が集まる集団、天才ばかりの集団など。当然、天才ばかりの集団が一番、優れた力を発揮することになるわけですが、これを超える集団があるんです。それが集合知性を発揮する集団です。集合知性を発揮する3つの要素は、①全員が対等に発言できる②メンバー同士が理解し合っており、お互いの気持ちをくみ取れる③チームに一体感があるとなっていてこの状態に組織がなったときにとてつもない力を発揮するということです。

会社の売上を上げたい、生産性を上げたいというときには社員を集合知性の状態にもっていく必要があります。集合知性を発揮している組織では、メンバー全員の脳が活性化し、お互いの良さを出し合うことで高いパフォーマンスが可能になります。

会社の経営者としては、自分の会社の社員を集合知性の状態にしたいと思いますよね。では、どのようにすれば社員を集合知性の状態にできるのかを岩崎氏は次のように話されていました。「集合知性を発揮するには、リーダーの心のあり方が重要」であると。集合知性は、人の脳力を引き出し、組織を強くします。そのためには、リーダーの心のあり方に「熱意」「考え方」があるかということが問われるのだということでした。経営者の心に「熱意」「考え方」があるか、もしくは「熱意」「考え方」を持とうとしているか。心の持ちようはとても大切です。

よく社員に、「熱意」や「考え方」を学ばせようと考える経営者は多くいますが、岩崎氏によると、まずは「おまえが学べ!」ということになりそうですね。社員に高い人格を持たせたいと思ったらどうします?一番、簡単なのは社長が高い人格を持つことだそうです。子どもが親のマネをすることと同じで、社員は社長を見ています。年の初めに、まずは自分を律しなければと心を改めました。

特定社会保険労務士 末正哲朗


カテゴリー:所長コラム


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