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SNSによる個人情報の流出リスク

2015年05月10日

先日、ある福祉事業所から職場でなにげなくスマートフォンで撮影した写真をSNSに投稿するという行為のリスクについての相談がありました。職場でのイベントや仲間うちの楽しそうな様子をスマートフォンで撮影することは、今ではどこでもよく見られることです。しかし、写真に写りこむのは、撮影者たちだけはありません。たまたま写真に写りこんでしまった職場や第三者の情報が、ネットで拡散されるという問題が生じることになります。当然、その情報の中には、不特定多数に公開されてはいけない情報も多数あることになりますので注意が必要になります。

最近はあまり聞かなくなりましたが、以前はネットを使って迷惑行為を公開することが、社会問題になりました。意味不明な迷惑行為をブログやSNSに投稿することで、飲食店が閉店に追い込まれたり、学生が処分されたりといったことが多く報道されました。こういったことは、そもそも問題外なのですが、悪気が無くブログやSNSに投稿した写真が原因で思わぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が呼びかけています。

IPAが実施した「2014年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」では、“友人と一緒に写った写真を勝手に自分のブログに貼り付けて公開した”という行為を問題であると回答した人は29.7%となっています。ようするに、7割以上の人が、他人の写った写真をインターネット上に公開することに対し問題意識がないという結果がでていることになります。

そのため、IPAは、トラブル防止のために次の対処を推奨しています。

(1)投稿時にはデジタルカメラのGPS情報の有無を確認すること

デジタルカメラで撮影するとGPS情報等の様々な情報が写真に付くため、投稿した写真から撮影場所が特定されてしまうことになります。

(2)一緒に写っている人には事前に投稿の許可を得ること

写真を投稿することでプライバシーや肖像権の侵害とならないよう、一緒に写っている人には写真の撮影だけでなく、投稿することについても事前の了解を得る必要があります。

(3)公開する必要のない写り込みは特定できないように加工すること

被写体の背景に写り込んでしまった人物や書類などが公開されることによる影響を熟慮する必要があります。

IPAから以上のような注意が呼びかけられていましたので、ご紹介させていただきましたが、先ほどの福祉事業所でいえば、その施設の利用者や入居者がどの施設にいるのか住所まで判明したり、どんな薬を服薬しているかなどが閲覧者にわかってしまうなどの可能性があります。ブログやSNSに投稿するということは、本人の想定される公開範囲に関わらず、全世界の不特定多数の人に閲覧される状況にあるのだという認識を持たなければいけませんね。

職場の労務管理においても、今後はルール作りが必要になりますし、規則などに定めたり、社員教育を行っていくことなども大切なことです。

これから夏に向けて行楽シーズンを迎えますが、行楽写真を投稿する際にも注意が必要です。投稿した写真が原因で、思わぬトラブルに巻き込まれぬようにしましょう。


カテゴリー:所長コラム


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