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人材採用、人をどうやって採るか!

2015年03月10日

前にも取り上げていますが、「求人をしても人が採れない」といったことが、相変わらず、多くのお客様の相談にあがってきています。私も採用に関しては関心があるので、先日、㈱クオリティ・オブ・ライフの原正紀氏の講演に参加してきました。原氏は、リクルートで企業への人材関連の提案や産学官へ人材施策の提案を多く行ってきた方です。

講演では、最近の人材採用の場面における大きな変化をいくつか挙げられていました。まずは、求職者は職業を選ぶときに重要視することが、昔は「事業内容」「企業や業界が成長している」といった会社に軸がおかれていましたが、今は自分に軸がおかれる傾向に変化しているとのことです。それは、「仕事内容」「自分の成長」「仕事環境」といったことが重視されているということです。

次は採用する側である企業についてですが、採用が難化する中で、採用を成功させるために企業の知名力、ブランド力をアップさせ情報発信を行い、応募者の関心を引き、そして採用決定までのプロセスを構築しておく必要もあるそうです。

特に採用面接においては、これまでの落とす、選択するための面接から欲しい人材を採りに行くための面接に切りかえる必要があるということです。例えば、面接の際に、相手をこちらに惹きつけるために応募者側に立って疑問を解消し、また企業の魅力をこちらから伝えてあげることが大切です。応募者が望む情報を提供し、動機づけを行い、入社に対する不安を解消し、応募者の将来を見せてあげることで入社につながるということになるのでしょう。なかなか大変な時代になったものです。

話は少し変わりますが、こんな話をお客様としていると、なかなか面白い話を聞くことができます。先日、採用面接をしてもなかなかその人が会社に合うかどうかの判断がつかない場合に、最近はフェイスブックを使っているという人がいました。要するに応募者のフェイスブックに投稿しているコメントを見てその人を判断しているそうなんです。

たしかに最近ではフェイスブックを利用している人はとても多いですし、また、それを誰でも見ることができます。そして投稿されているものを見れば、その人のまわりにどんな人がいて、投稿の仕方によっては普段の生活が全て丸見えになります。ご存じの通り、応募者の家族情報、生活環境、生活信条、尊敬する人物など仕事に関係のないことを採用選考時に尋ねることは禁じられています。しかし、フェイスブックによって、それらの面接では聞けない情報が全て手に入ります。採用面接での作られた話よりは、ずっと役立ちそうですね。

ちなみにその方は、応募者が企業のホームページを見て面接に来るのであれば、こちらは応募者のフェイスブックを見ることにしようと思ったそうです。SNSでいろんな問題が起こっていますが、フェイスブックをプライベートで利用している場合でも投稿の仕方によっては要注意ですね。誰がどんな目的で見ているかわかりません。

そして、入社後は、せっかく採った人材をいかに離職させないかといった対策をとることも必要です。採用した人が早期離職した場合、会社がいくらの損失になるかというと、大卒で平均800万円にもなるそうです。その中には、本人の人件費、社会保険料、採用にかかった経費、離職にあたっての同僚の業務負担などが含まれています。損失を考えるだけでも大きいですが、やはり、縁があっての入社であることを思うとお互いに良い関係を作ることができるようにしたいものです。

最後に、採用に関するお得な情報です。厚生労働省は平成27年度、現在も実施されている雇用促進税制を大幅に改編・拡充すると発表しました。地方にある本社・事業所において雇用者数を増加させた場合、1人当たり年間最大50万円の税額控除が行われます。増加させた雇用者が東京23区内からの移転による場合は、さらに優遇され1人当たり3年間で最大140万円の税額控除が可能になるということです。(この措置は地域再生法改正案の成立が前提となっています。)


カテゴリー:所長コラム


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