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丙午が映す日本のいま

2026年02月02日

今年2026年は、60年に1度の「丙午(ひのえうま)」の年です。前回の1966年の「昭和の丙午」は日本社会に大きなインパクトを残しました。その年は、出生数が前年より25%も少なく人口ピラミッドに大きな凹みを作りました。ぼくの一つ上の年齢に当たりますが、学校のクラスがひとつ少なかったことを覚えています。丙午の年に生まれる女性は気性が激しいという江戸時代からの迷信が元だそうですが、当時は出生数増のさなかに日本はあり、総人口はこのころに1億人を突破していて、出生数は、1965年182万人、丙午の1966年が136万人、1967年は193万人という状況でした。しかし、今の出生数は68万人でほぼ半減しています。8割の男女が「いずれ結婚するつもり」と答え、希望の子ども数は2人が多いという調査結果もありますが、希望と現実のギャップを埋める方策を長年にわたって日本は示せないでいます。日本など急速に経済成長した国では、伝統的な価値観が残るなかで女性の社会進出が進み、出生率が大きく低下したという見方があるくらい、「赤ちゃん」と「職場・働き方」の関係が深まっています。

また、日本の職場では働き方の価値観が多様化しています。高市首相の「働いて働いて働いて働いて働いて参ります。」が流行語大賞となり注目を浴びました。昔の日本の職場では、会社での出世競争から落ちこぼれた「窓際族」といわれる働かないおじさん社員が存在していましたが、今は「静かな退職」という働き方が現れています。「静かな退職」はアメリカで広まった言葉で、競争志向の生き方を嫌い、そこから「さりげなく退避」しようとする姿勢のことをいうそうです。特に「上昇志向」「ハッスルカルチャー(過度な労働を美徳とする文化や価値観)」といった価値観に反対する動きとしてZ世代を中心に広がったとされ、やりがいやキャリアアップを求めずに、決められた仕事を淡々とこなす働き方で、実際に退職をするわけではなく、退職が決まった従業員のような余裕をもった精神状態で働くことをいうのだそうです。

今の日本は、伝統的な「終身雇用」が揺らいでしまって、ひとつの会社で頑張って長く働いても報われるとは限らなくなってしまったため、将来に不安を抱く人や仕事のために生きるという考え方に疑問を持つ人が増加しいます。マイナビが実施した調査によると、全国の20~50代の正社員のうち44.5%が「静かな退職をしている」と答えたそうです。特に20代ではその割り合いが高く、また「静かな退職を続けたい」と考えている人の合計は70.4%にも達していて、「静かな退職」は一過性の流行ではなく、働き方のひとつとして定着する可能性があるとのことです。こういった人たちについて企業の採用担当者からは「時代にあっている」「やるべき仕事をしていればよい」など、一定の賛成も得られているようです。ようは「静かな退職」は、働く人の価値観や関係性が現れたものであり、単なる怠慢や問題行動として片づけることはできないということです。従来の安定雇用の見返りに滅私奉公を求めた日本型雇用は限界を迎えたということのようです。

ここ数年、人材確保や退職防止のため若手社員の賃金アップが活発に行われていますが、会社を支えてきた中堅社員の給与はいぜんとして抑えられています。また、業績の悪くない企業が、50代以上の社員を標的として早期退職や希望退職を募集する「黒字リストラ」が目立って行われています。昨年、リストラを公表した上場企業のうち、黒字企業は28社と67%を占めており、人数では1万人を超えました。ただ、「早期退職には応じないほうがいい。」といわれています。大企業で年収1000万円以上の管理職だった人材の転職の受け皿は中小企業となりますが、そんな年収を支払える会社はないからです。また、大企業人材はなんでもそつなくこなすゼネラリストが多いため、転職市場での価値は低いことも影響します。このように若手社員には甘い日本社会ですが、高齢化が進んでいるにもかかわらず、実はシニア人材が活躍できる素地が整っていないという問題が生じているようです。

特定社会保険労務士 末正哲朗

◆ニュース

管理職へ安衛教育を 高齢者労災防止で指針案 厚労省

 厚生労働省の有識者検討会は、労働安全衛生法に基づく高年齢者の労働災害防止のための指針(仮称)の案を取りまとめました。事業者が講ずべき措置として、安全衛生管理体制の確立や、職場環境の改善、健康・体力の状況の把握とそれに応じた対応、高年齢者と管理監督者などへの安全衛生教育を盛り込みました。

指針は、改正安衛法により、今年4月から高年齢者の労災防止措置が事業者の努力義務となることを受けて定めるものです。指針案では、職場環境改善の取組みとして、身体機能の低下を補う設備・装置の導入や、高年齢者の特性を考慮した作業管理を行うとしました。

設備・装置の導入に当たり、重量物の取扱いへの対応や、暑熱環境への対応の例も示しました。一般に、暑さや水分不足に対する感覚機能や、身体の調節機能が低下するため、涼しい休憩場所を整備し、利用を勧奨するとしています。

 作業管理面では、筋力や敏捷性のほか、バランス能力や全身持久力、感覚機能、認知機能の低下といった特性を考慮し、作業内容の見直しを検討・実施するよう求めています。

「おい、こら」で団交中止 不当労働行為を認定 熊本県労委

熊本県労働委員会は、団体交渉中に組合側が「おい、ちゃんと聞かんかい、こら」などの発言を繰り返したことを契機に、学校法人が団交を打ち切った事案について、不当労働行為と認定しました。発言は暴力行為を示唆するものではなく、「安全を確保できない」という法人側の主張は認め難いとしています。正当な理由のない団交拒否と支配介入に該当すると判断し、ポストノーティスを命じました。

組合は、同法人が運営する短大の廃止をきっかけに結成しました。短大が募集停止に至った理由などを議題として、団交を重ねていました。

第5回団交で、組合の執行委員長が、「おい、ちゃんと聞かんかい」、「ちゃんと顔見んかい」などの不穏当な発言をした際、法人の代理人弁護士は、法人側出席者の安全を確保できないことを理由に、すぐに団交を打ち切りました。組合側の一連の発言後、法人側は十数秒で終了を宣言し、団交は約9分で終了しました。

同労委は、組合側の発言は交渉態度として必ずしも是認されるものではないとしたうえで、法人側出席者に対して暴力を示唆するものではないと認定しました。実際に殴る、物を投げつけるなどの有形力の行使もされておらず、「法人側出席者の安全等を確保できないと認識させるには十分なものとは認め難い」と判断しています。さらに、発言後も、組合と法人の発言は聞き取れる状況にあり、団交が継続できないような喧噪状態にもなかったとしています。

弁護士が発言を受けて十数秒で団交を終わらせたことについては、「団交を緊急的に終了しなければならないほどの危険性が迫ったものとはいえない」と指摘しました。

県内企業と学生 AIが“マッチ” 埼玉県

埼玉県は、AIを活用した県内企業と大学生のマッチング支援事業を始めました。昨年11月から企業の登録申請が開始しており、1月中にサイトを立ち上げます。登録は無料です。

登録企業には「望ましくない人物像」を明確にするためのアンケートを受けてもらい、学生には行動心理学に基づいた適職診断を実施し、結果に基づきAIが両者をマッチングします。マッチングが成立した場合、学生には「おすすめの企業」として採用情報などが通知されます。 登録は県内に事業所を構える企業が対象で、すでに500社が登録済みです。学生は最低1000人を目標に、首都圏の学生へ登録を呼び掛けています。


カテゴリー:所長コラム


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