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採用

2015年07月10日

少子高齢化による労働力人口の減少のため…と言ってしまえば簡単なんですが、ここ数年、どんどん「採用」が難しくなっています。そのためか、「人材確保のための…」とか「採用に成功するために…」と銘打ったセミナーを行うと参加者が多くなるようです。先日も高岡のほうで、採用についてのセミナーをさせていただきましたが、いつもより参加者が多かったらしく、主催者のかたは喜んでくださって、私も本当にうれしかったです。

毎年、新卒の学生を採用しているお客様から、「今年は大学の新卒者に早目の内定を出したのに、大企業の採用活動が始まった途端に、全部、持っていかれた!」「新卒者が残っていない。最近は、大企業がこれまで採らなかった学生にまで内定を出し始めている。」といった話を聞きました。

学生の就職活動で新たなスケジュールが今季から導入されているのはご存じですか?経団連に加入している企業は、就職活動のスケジュールを指針として出しています。今年は、日程が従来よりも3~4ヶ月繰り下げられていて、企業が説明会を始める時期が、大学3年生の12月から3月に、面接などの選考開始が4年生の4月から8月と繰り下げられています。

ただ、政府は他の経済団体にも日程順守を呼び掛けているにもかかわらず、景気回復で企業の採用意欲が高まっていて中小企業を中心に、大企業が動く前に学生を確保しようと急ぐ動きがあって統制がとれていないようです。しかし、中小企業が早い時期に学生に内定を出しても、大企業の採用活動が始まってしまうと全部持って行かれてしまうということになっているようです。私だって学生であれば、将来を考えて大企業に入社したいと考えます。だから、若い人達の気持ちは十分に理解できます。でも、最近の若い人達の価値観は私の頃とは変わってきているので、中小企業が学生を採用する場合には、いかにやりがいがあって、人生を有意義に過ごせるかをアピールする必要があるようです。今の新卒の学生が重視する労働条件は、「給与が高い」32.6%よりも「休日休暇」48.0%となっています。また、それ以上に、「自分の能力・個性が生かせる」「仕事の面白さ・やりがい」が80%を超えています。私は、大企業も中小企業も経験しましたが、自分の能力・個性が生かせるのは中小企業のほうではないかと思っています。なぜかというとなんでも自分でやらなきゃいけませんからね。

あと、就職活動に関する話をもう少し。6月26日の日経新聞に載っていましたが、「オワハラ」ってご存知ですか?企業が内定を出す条件として学生に就職活動を終えるように強要するハラスメントのことをいうそうです。文部科学省の就職に関する調査では、2015年春に卒業した学生から相談を受けた大学・短大は全体の45%に上がったそうです。

オワハラとは「就活終われハラスメント」のことをいい、学生優位の「売り手市場」で人材確保が難しいなか、早めに動いた企業が内々定を出した学生を囲い込もうとする行為で、「内々定を出したら他社の面接は受けられないと言われた」「2週間以内に入社誓約書の提出を求められた」などがあります。そんな意味のないことを堂々と行っている企業には笑ってしまいますが。

最後に、政府が6月9日、「2014年度ものづくり基盤技術の振興施策」を閣議決定しています。簡単にいうと、日本の優れた技術を次の人材に引き継いでいくといったことになりますが、このことに助成金がくっついています。企業内人材育成推進助成金の中のひとつで、「技能検定合格報奨金制度」というものがあります。社員に技能検定を計画的に受験させ、合格者に報奨金を支給する制度を設けると、最高70万円が支給されます。この助成金はとても良いと思いますし、多くの会社で対象になると思われますので一度、検索してみてください。


カテゴリー:所長コラム


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